2008-11-28

モーツァルトのディヴェルティメント K.136-138

「クラシックがわかる超名盤 100」で紹介されている曲を聴いてみよう企画第一弾です。今回は、モーツァルトのディヴェルティメント K.136, K.137, K.138 を聴いてみました。1772 年作曲。モーツァルト 16 歳の時の作品です。

ディヴェルティメント

さて、ディヴェルティメントって何でしょう。上手く説明できないので、解説を引用してみます。

ディヴェルティメントは特定の演奏形態や楽曲の形式を示すものではなく、モーツァルトの時代、貴族の館で行なわれた婚礼や命名祝日など、即ちおめでたい祝いの試でのもてなしの音楽ということになる。そのため普通は楽章数も数多くなるのが一般的だ...

つまりは、18 世紀のバックグラウンド・ミュージックなわけですね。こういった曲は肩の力を抜いて聴けるのでいいですね。でも、逆を言えば交響曲を聴くみたいに、本腰を入れないのでながら聞きになってしまうのもいなめません。特にモーツァルトみたいにディヴェルティメントが沢山あると、どの曲もサラリと流してしまいます。

こういう時、何かしら名曲解説みたいな本があるといいですね。ちょっとしたエピソードも知れますし、何より曲に興味がわきます。

CD

本で推薦されていた CD は、トン・コープマン指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団の演奏です。残念ながら、私はこのディスクを持っていないのですが、時折、顔を出すオーディオ・ショップにサンプル・ディスクとしてこの CD が置いてありました。といっても、私が聞いたのは、ディヴェルティメントではなくて、一緒に入ってたアイネ・クライネ・ナハトムジークだったりするんですけどね。アイネクは、教会で聞く感じのする澄んだ雰囲気でした。今度、行ったらディヴェルティメントの方も聞かせてもらおうかと思ってます。

さて、推薦 CD がないので、手元にあるディスクを引っ張り出してみました。

  • パイヤール指揮 パイヤール室内管弦楽団

低弦が歯切れよく鳴って、音楽に推進力が与えられる感じ。聞いてて、前へ前へと進みたくなる演奏です。ウィーンの香りのするモーツァルトですねぇ (パイヤールはフランスの人ですけど)。今、丁度、K.137 の第二楽章がかかっているんですが、楽しくてしょうがないです。K.136-138 はディヴェルティメントなのに、三楽章形式で短め。軽く聞ける所もいいです。

クラシックがわかる超名盤100 (ON BOOKS 21) モーツァルト : アイネ・クライネ・ナハトムジーク&3つのディヴェルティメント

2008-11-27

TAXi のサントラを買いました

タクシー

ブックオフで映画「TAXi」のサントラを買いました。250 円でした。

目的は、「TAXi」の軽快なテーマ音楽です。映画の予告編でも、必ずかかるあの曲ですね (下の動画は「TAXi 4」の予告編です)。

しかし、アルバムを通して聞いてみたのですが、お目当ての曲が見つかりません。やられました。まあ、250 円なんで、お財布はそれほど痛まないんですけどね (新品で買ったりしなくて、良かったぁ ^^;)。

Misirlou

さて、ネットで検索してみたところ、あのテーマ曲の曲名は「ミザルー (Misirlou)」ということが分りました。Wikipedia によると、ギリシャのポピュラー音楽なんだそうです。

ディック・デイル & ヒズ・デルトーンズというアーティストのバージョンで、

冒頭に「ハッ、ウッ、ハァーー」と入る

Misirlou - Wikipedia より引用

ということなので、TAXi で使われているのは、これなんではないかと。ブックオフに行く機会があったら、今度はこのアーティストもチェックしてみようと思います。

2008-11-26

灼眼のシャナ 17 (高橋 弥七郎)

「灼眼のシャナ」の最新刊 17 巻目を、ようやく読み終えました。

一年ぶりの本編再開。ゆっくりと誰にも邪魔されずに読みたい。そう思ってまとまった時間を探していると、三連休があっという間に過ぎていきました。意気込みすぎると、逆に、読む時間を見つけられないようです。結局、読み始めたのは、月曜日も夕万に入ってからでした。読了までは一気でしたけどね :)

第 17 巻は、大戦 (おおいくさ) を前に皆が準備に明け暮れる回でした。シャナ・シリーズ特有のアクション・シーンは抑え気味。代わりに新顔が登場したり、懐かしい顔が現れたり。物語がいよいよ大詰めを迎えようとしているのが分かります。

次の巻が、待ち遠しくてしょうがないです。

灼眼のシャナ 17 (17) (電撃文庫 た 14-23)

2008-11-25

パンズ・ラビリンス (El Laberinto del Fauno)

映画「パンズ・ラビリンス」を観ました。スペイン映画。119 分。ジャンルはファンタジー系、それも、正統的な妖精映画でした!

最近のファンタジーで妖精というと、エルフやドワーフを指して、人間とは友好的な存在が多いものです。こういった流れは、おそらく指輪物語に端を発し、最近のライト・ノベルの影響が多きいのではないかと思います。しかし、ヨーロッパの民俗伝承的には、妖精は人間の良き隣人であったわけではありません。代表的な妖精の悪事としては、赤ちゃんと妖精の子供を取り替えられてしまう「取り替え子」があります。また、有名な問答歌「スカーバラ・フェア」で無理難題をふっかけるのも妖精との説があります。ヨーロッパでの妖精は、日本で言うところの「妖怪」に近いものがあるのかもしれません。

パンズ・ラビリンスは、そんな「正統的」な妖精の在り方を前面に出した、出色のファンタジー映画でした。

題名に現れる、「パンズ」を日本語に訳すと「パンの」という意味になります。パンはギリシア神話に出てくる牧羊神です。ちなみにスペイン語原題は「El Laberinto del Fauno」。日本語に訳すと「Fauno の迷宮」。ここの「Fauno」もローマ神話のファウヌス。つまりはギリシア神話の牧羊神に対応する神様です。

パン神は主人公オフィリアを、かつて失われた妖精の姫と認め、妖精の国へ戻るために 3 つの課題を出します。果たしてオフィリアは本当に妖精の姫なのでしょうか? それとも、妖精たちに騙されて妖精の世界へと誘い込まれているのでしょうか? ちょっとダークな妖精映画ですが、最近のアクションばかりに力の入ったファンタジー映画に疲れてしまった方々にはおススメの一本です。

パンズ・ラビリンス 通常版 [DVD]
フェアリー・テール〈上〉 (ハヤカワ文庫FT) フェアリー・テール〈下〉 (ハヤカワ文庫FT)

PS. もしこの映画を気に入るようなら、レイモンド・E・フィーストの「フェアリー・テール」も気に入られることでしょう :)

2008-11-23

2008 年第 47 週に借りたもの

パンズ・ラビリンス

「ザ・シーカー 光の六つのしるし」がひどい件というエントリーを書いたら、映画好きの友人が「パンズ・ラビリンス」をすすめてくれました。最初、「パンダの迷宮」かと思いました。本当にごめんなさい。中世・妖精もののファンタジー映画のようです。

観たら感想を書きます。

パンズ・ラビリンス DVD-BOX パンズ・ラビリンス 通常版

ピアニストガイド (吉澤ヴィルヘルム)

ピアニストとピアノに詳しいクラシック系ピアニストの紹介本です。私はこの本が好きではないのですが、ちとピアノについて調べたくなったので借りました。後日、この本が好きでない理由などもエントリーにしてみます。

ピアニストガイド

クラシックがわかる超名盤 100 (諸石幸生)

手元にある「クラシック名盤」系の本は、何度も読み返して手垢がついてしまったので、他の紹介本も借りてみました。目次を見ると、比較的新しめの録音が選ばれているようです (出版は 2005 年)。

構成は、1 曲につき 2 ページ。内容は曲の解説と推薦 CD の紹介。オーソドックスな構成ですけど、推薦 CD を一枚に絞っているのが魅力です。というのは、推薦文が長くなるからです。今は、いくつもの推薦 CD を聴き比べするより、一枚をじっくり聴きたい気分なので、「魅力」に感じてしまうんでしょう。少し前なら、色んなディスクを紹介して欲しいと思っていたものですが...

クラシックがわかる超名盤100 (ON BOOKS 21)

激しく自己嫌悪

kira-ism さんが、YouTube のイベント「livetokyo」に当選したそうで、一緒に行きませんか? というメールを送って下さった。それが昨日のこと。イベントの開催は今日の 16:30。ものすごーく行きたかった。

でも、メールを見たのはついさっき。

今日 (25 日) は、一日中寝ておりました。

今日の生活。

11:30 頃、起きてマックへ。お昼を食べたら、おやすみモード。

16:30 頃、友達から合コン行かない? と電話。お金がないので断わって、また、おやすみ。

20:30 頃、もぞもぞと起きてメール・チェック。

おや、kira さんからメールが届いているよ……と。

泣きたい。もう少しちゃんとした生活をしていれば。後悔先に立たず。早起きは三文の得ですねぇ。

2008-11-21

モーツァルトの「フィガロの結婚」 (Vittorio Gui)

今、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」を聴いています。序曲、とっても楽しいですね。演奏が生き生きしています。これからオペラが始まるよっ、て言ってるみたい。うん? 普通に、この演奏いいんじゃないかしらん。弦が跳ねるようですよ? 管の入り方が上手いですよ? カラヤン盤を聞きたいと思っているんですけど、この CD でも十分。かな?

指揮者は誰でしょう。

Gui。

聞きたことのない名前です。オーケストラは?

Glyndebourne Festival Orchestra。

う〜ん、知らない。

録音も新しい気がします。何年録音? あれ? 1955 年 7 月。随分古いのね。50 年以上も前の録音? それにしては、古く感じないですよ? もしかしてモノーラル? ステレオじゃない。(今頃気づいた ^^;)

50 年以上も前の指揮者で Gui。Gui。Gui。

おや〜、もしかして、この Gui ですか? clmemo@aka で取り上げたことのある、あの Gui ですか?

グイ Vittorio Gui (1885-1975)

《イタリアの指揮者・作曲家》.

こちらも作曲家。1885 年生まれというと、ベルクやクレンペラーと同い歳。フルトヴェングラーより一歳年上。う〜ん、彼の名前を聞いたことがない :p

clmemo@aka: Cui と Gui より引用

そうでした。orz。

ディスクまで持っていながら、知らない。聞いたことない。なんて思い込んでました。でも思わぬ身近に Gui はいたんですね。いい指揮するじゃないですか。ごめんなさい。ちゃんと聴くね。

Mozart: Le nozze di Figaro

2008-11-18

東の海の諺 〜 ONE PIECE 第 522 話

今週号のジャンプの「ONE PIECE」 (第 522 話「死に至る病」) から。

東の海にはこんな諺があるという…

"恋はいつでも!! ハリケーン"!!!

オチは読めました。読めたんですけど、真顔で放つ「コトワザ?」に大笑いです。あまりの直球具合に、私の胸の中はハリケーンです (意味不明)。

One piece (巻1) (ジャンプ・コミックス)

どんな天才にも計算できないもの 〜 魔人探偵 脳噛ネウロ 第 182 話

今週号のジャンプより「魔人探偵 脳噛ネウロ」 (第 182 話「幸【しあわせ】」) から。

この世にはひとつだけ…

どんな天才にも計算できないものがあ

自分の本性だ

マンガで面白い台詞があったら life@aka で取り上げようと思っているのですが、気がついたらネウロのセリフばかりエントリーにしています。全くもって計算できないものですね。

魔人探偵脳噛ネウロ 18 (18) (ジャンプコミックス)

2008-11-17

ルパン三世 GREEN vs RED

ルパン三世の「GREEN vs RED」を昨日見ました。

この作品、TV で放映された記憶がありません。Wikipedia によると、OVA 作品だそうです。

『ルパン三世 GREEN vs RED』は、漫画家モンキー・パンチ原作の人気アニメ『ルパン三世』のOVA第三弾。ルパン三世生誕40周年記念作品として2008年4月2日に発売された。発売に先駆け、全国6か所の「TOHOシネマズ」において、3月に一回限りの上映会も行われた。

ルパン三世 GREEN vs RED - Wikipedia より引用

さて、ネタバレありの感想を。

物語に登場するのは沢山のルパン。偽物のルパン。本物はドレ?

緑のジャケットを着たルパンが、一人だけスマート。彼が本物なのかしらん? そう思ってたら、隣に座ってた次元が本物のルパンでした。赤ジャケット・ルパン! 出会った二人のルパンは、本物の座をかけて戦います。ここら辺から、ストーリーが思索的に...

「男は男として生まれてくるのではない。男になるのだ。ルパンもまたしかり」とか、最後の対決前に次元が赤ジャケ・ルパンに「本当のこと言わなくていいのか?」とか、思わせぶりな台詞が出てきます。要は「偽物か本物か関係ない。面白ければ、それがルパンだ」ってことらしい。まあ、40 周年を記念する作品としては、「今までの色んなルパン」を全て肯定する感じで、良く出来ています。

一方で、次元・五右衛門・不二子らの見せ場はほとんどありませんでした。ターゲットの「アイス・キューブ」の扱いも、ひどかったです。TV スペシャルや映画版では、ありえない構成ですね。「40 周年記念」だからこそ、「ルパン三世」ただ一人にフォーカスを合わせる作品に仕上げられたように思います。

コアなルパン三世ファンでないと、楽しめないかもしれませんねー。

ref

ルパン三世 GREEN vs RED 【通常版】本編DVD+サントラCD

2008-11-16

2008 年第 46 週に借りたもの

ルパン三世 グリーン VS レッド

ルパン三世の OVA です。友達が借りたい借りたいと言っていて、つられて見たくなったのですが、DVD レンタル屋にいつ行っても貸し出し中になっていました。

で、その友達がようやく一週間レンタルで借りたというので、見せてもらったわけです。

感想は明日書きます。

ルパン三世 GREEN vs RED 【通常版】本編DVD+サントラCD

2008-11-15

HMV また 3 倍ポイント・セール

HMV がまた 3 倍ポイント・セール (トリプル・ポイント) を実施中です。

対象は全ての CD。期限は 11/18 (火) 正午まで。

10 月のトリプル・ポイントでは、対象が発売済みの CD でした。つまり、予約商品はトリプル・ポイントの対象になっていませんでした。今回は予約商品でも OK のようです。しかも、マルチバイ・キャンペーンも実施中。太っ腹ですね。

去年は、こんなに 3 倍ポイント・セールをやっていなかったと思います。一体、何の心境の変化かしらん。

クラシックに興味がある方は、ボックスなんかどうでしょう?

2008-11-14

シフラのスタジオ録音大集 40 枚組

今年の 9 月。ジョルジュ・シフラのスタジオ録音全集 (40 枚組) が発売されて、シフラ・ファンを喜ばせました。2 組・3 組と購入された方もいらっしゃったようです (鑑賞用・保存用・貸出用??)。

そのせいか、入荷とほぼ同時に HMV では「廃盤」扱いに。私は予約したので手に入れることができましたが、涙をのんだ方も多いのではないでしょうか。

そんなシフラのスタジオ録音全集が、HMV で取り扱いを再開しています。今なら、2〜7 日で入荷するとのこと。お値段は、マルチバイ価格で 10,388 円 (一枚当たり 259.7 円)。

収録曲はこんな感じ。

  • モーツァルト: ピアノ・ソナタ K.310
  • ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ No.8, 10, 12, 13, 21, 22, 23
  • シューベルト: 即興曲
  • リスト: ハンガリー狂詩曲 (新・旧盤)、超絶技巧練習曲、巡礼の年、ピアノ協奏曲
  • ショパン: ワルツ、練習曲、ポロネーズ、即興曲
  • シューマン: 謝肉祭、交響的練習曲
  • ブラームス: ハンガリー舞曲 (シフラ編曲)
  • 等々

なくならないうちに、お早めに。

ref

2008-11-12

Enya の最新アルバム「And Winter Came」を注文しました

なつみかん@はてな にて、エンヤの最新アルバム「And Winter Came: 雪と氷の旋律」が発売されていることを知りました。

3 年ぶりの新作だそうです。とっても久しぶり。そういえば、最近、エンヤを聴いてませんでした。CD ラックから、前作の「アマランタイン」を取り出して再生。このエントリーは、アマランタインを聴きながら書いています。

Amazon 輸入盤は 1555 円

どこで買うのが安いのかな? とりあえず、HMVAmazon をチェックしてみました。ちなみに国内盤と輸入盤に収録曲の差はありません。

  • HMV 輸入盤: マルチバイ特価で 1,726 円
  • HMV 国内盤: 2,580 円
  • Amazon 輸入盤: 1,555 円
  • Amazon 国入盤: 2,580 円

Amazon で輸入盤を買うのが一番安く済むようです。今なら更に「輸入盤キャンペーン 2 枚買ったら 10% OFF」。エンヤはもうショッピング・カートに入れてしまったので、もう一枚を別に探して 10% OFF で買おうと思います!

AND WINTER CAME

2008-11-11

コミック・エール 12 月号

油断していたら、昨日発売だったようです。

しまった。しまった。チェックを怠っていました。お急ぎ便で注文かけたので、今夜には届くでしょう。

2 か月に一回というのは、忘れやすくて困ります。マンガ用のカレンダーを作って、リマインドすべきでしょうかね :p

コミック エール ! 2008年 12月号 [雑誌]

2008-11-09

2008 年第 45 週に借りたもの

モーツァルト名盤大全 (レコード芸術 編)

モーツァルトの CD が増えてきました。こんな本でも読まないと、有名曲ばかり聴いて、他を聞き流してしまうので借りてみました。

今回は、声楽曲や初期のピアノ協奏曲、交響曲を中心に聴こうと思ってます。なので、この本は拾い読みになるでしょう。

モーツァルト名盤大全―最新・完全版作品解説&名盤ガイド (ONTOMO MOOK)

ルネサンス・バロック名曲名盤 100 (皆川 達夫)

life@aka: 中古クラシック CD を買うな! 〜輸入盤 BOX のススメ〜で取り上げた「ドイツ・ハルモニア・ムンデ設立 50 周年記念ボックス」(50 枚組) と「バロック・マスターワークス」(60 枚組) を買ったお蔭で、バロックまわりの CD が増えました。

ですが数が多すぎて、とっかかりがありません。そういうわけで、曲目解説目当てにこの本を借りました。解説を読みながら曲を聞くと、親しみがわくというものです。

エーリヒ・クライバーの「運命」

ベートーヴェンの交響曲第 5 番「運命」を、エーリヒ・クライバー指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で聴きました。

エーリヒ・クライバー (Erich Kleiber, 1890-1956) といえば、数年前に亡くなった大指揮者カルロス・クライバーのお父さんです。名指揮者であることは聞いてはいましたが、CD を買うには到っていませんでした。

昨日の夜、「運命」が戸を叩きました。ダダダ・ダーン。

失敬。友達が戸を叩きました。エーリヒ・クライバーの LP が良い! と。是非、聞きに来い、と。

いやぁ、エーリヒの演奏はすごいですね。スピード感があるのに、カラヤンのように流さない。情熱がほとばしっています。第三楽章が、思わずワルツのようになるのはご愛嬌。第四楽章は、息子カルロスほどに早くないですね。むしろ昔ながらのテンポで、でも力強く終わります。弦はウィーン・フィルの方がきれいなのですが、アムステルダム・コンセルトヘボウは管がイイ。とてもいい演奏を聞かせてもらいました。

2008-11-06

モーツァルト初期ピアノ協奏曲の原曲

モーツァルトのピアノ協奏曲第 1 番〜第 4 番は、モーツァルトが全てを書いたわけではありません。他の作曲家のピアノ独奏曲に、モーツァルトが管弦楽を付けてピアノ協奏曲の形にしたものです。1767 年の作曲ということですから、モーツァルト 11 歳の時の作品です。

さて、モーツァルトがピアノ協奏曲 (No.1 〜 No.4) を書くに当たって、誰の作品を元にしたのか気になっていたのですが、昨日図書館で借りた「モーツァルト名盤大全」に解説が載っていました。メモを兼ねてまとめてみます。

ピアノ協奏曲第 1 番ヘ長調 K.37

  1. ドイツの作曲家ヘルマン・フリードリヒ・ラウパッハ (1728-78) の作品 1-5 の第 1 楽章
  2. 不明
  3. レオンツィ・ホーナウアー (1730-90) の作品 2-3 の第 1 楽章

ピアノ協奏曲第 2 番ロ長調 K.39

  1. ラウパッハの作品 1-1 の第 1 楽章
  2. ヨハン・ショーベルト (17335-67) の作品 17-2 の第 1 楽章
  3. ラウパッハの作品 1-1 の第 3 楽章

ピアノ協奏曲第 3 番ニ長調 K.40

  1. パリで活躍していたドイツ系音楽家ホーナウアーのソナタ作品 2-1 の冒頭楽章アレグロ・ポンポーソ。
  2. パリのドイツ人 J. C. エッカルト (1735-1809) の作品 1-4 の第 1 楽章アンダンティーノ
  3. C. P. E. バッハ (1714-88) の性格的小品「ボヘミアン」ニ長調プレスティッシモ Wq.117

ピアノ協奏曲第 4 番ト長調 K.41

  1. ホーナウアの作品 1-1 の第 1 楽章
  2. ラウパッハの作品 1-1 の第 2 楽章
  3. ホーナウアの作品 1-1 の第 3 楽章

モーツァルト名盤大全―最新・完全版作品解説&名盤ガイド (ONTOMO MOOK)

2008-11-05

中古クラシック CD を買うな! 〜輸入盤 BOX のススメ〜

タイトルはツリです。

はじめに

Zope ジャンキー日記の mojix さんがクラシック音楽に興味をお持ちのご様子。

私はクラシック・ビギナーで、定番とか名盤みたいなものもまだほとんど知らない。何を聴いても新鮮な段階

ディスクユニオン新宿クラシック館 - Zopeジャンキー日記 より引用

最近は、オーディオ・ユニオンにお通いらしい。

前回はバッハやベートーヴェンをいろいろ買ったのだが、今回はショパンやシューマン、ストラヴィンスキーなど、500円前後のものを中心に10枚くらい買った。クラシックのCDは新品でも安いものが多く(1000-1500円くらい)、中古はその半額くらいなので、ついたくさん買ってしまう。

Zopeジャンキー日記 より引用

確かにクラシック音楽は (他のジャンルの CD に比べると) 安いです。更に安くなる「中古盤」の安さにひかれるのも分かります。

しかし、クラシックの輸入盤。特にボックス・セットになると、下手な中古盤よりトータル・コストが低くなるのはご存じでしょうか?

極端な例を挙げると、カラヤンの「コンプリート EMI レコーディングス第 1 集」。

このボックス・セットは 87 枚組で 22,516 円です。一枚当たり 258.8 円という計算です。

どうです? 安いでしょう。

カラヤン・ボックスは一万円を越えてしまいますが、他にも、コスト・パフォーマンスの高い輸入盤 CD は沢山あります。こういう輸入盤の存在を知らないで、中古店でクラシック CD を探すのはもったいないと思うのです。

そこで、クラシック音楽初心者向けに、安く CD を買い揃えるコツと、おススメ CD をまとめてみました。

安くクラシック CD を買うコツ

  1. ボックスや全集を狙う。。。もちろん割引率が高いからです。同じような CD を 2〜3 枚買う場合は、ボックス盤がないか探してみましょう。同じ値段なのにボックス・セットが買える場合ありです。
  2. HMV or Tower Records で検索!。。。Amazon は輸入盤ボックスが全然揃っていません。輸入盤を探すなら、HMV か Tower Records がオススメです。HMV で買う時は、マルチバイ・キャンペーン (3 枚以上購入で 25% OFF) を活用しましょう。
  3. 同曲異演が重なることを恐れない。。。ボックス買いをしていると、曲が重なってしまうことがあります。ですが、クラシック音楽は指揮者・演奏者が変わるだけで雰囲気も変わるものです。逆にチャンスと思って、演奏者ごとの違いを楽しみましょう。
  4. 新譜や名盤にこだわらない。。。新譜や名盤は一般に値段が高いです。無名でも良い演奏をする人はいます (ハズレもあります)。安物買いをすると沢山の音楽と出会えますが、名盤との出会いは少なくなります。名盤ばかり買っていると、未知の佳曲との出会いを失います。ここら辺はバランス感覚です。
  5. 中古店も巡る。。。買うべき輸入盤ボックスを絞り込んだら、近所の中古 CD ショップをチェックしてみましょう。低い確率ですが、ネットより安く売っている場合があります。この時、チェックすべきはクラシック音楽の専門コーナーを持っている大きな中古店です (ディスク・ユニオンのクラシック館とか...)。ブックオフは期待しない方が吉です。

一般に、クラシック音楽の新品 CD は他のジャンルの CD と比べて安く、更に国内盤より輸入盤の方が安く、そして輸入盤一枚より輸入盤ボックス・セットの方がコスト・パフォーマンスが高いものです。なので、例えばベートーヴェンの交響曲 5 番「運命」と 3 番「英雄」と 9 番「合唱」を買うのであれば、一枚ずつ買うより全集を買う方がお得だったりします。

一方、クラシック音楽の中古 CD は、お店によってまちまち。ブックオフでは定価千円のディスクが千円で売られていたりします (中古の意味ない Xp)。ブックオフでなくとも、ボックス CD が輸入盤新品の値段より高いことが多くあります。これは、輸入盤クラシック CD の「今の値段」を中古店自体がチェックしていないからでしょう。

従って、中古 CD を買う場合は、その店がクラシック CD の値段を適正につけているかどうかを見なくてはなりません。

もし、適正な値段を付ける中古クラシック CD ショップがあったら、ボックス CD を買う前に、同じボックスがそのお店にないかチェックしましょう。でも、そういうお店は大低人気なので、よほど運が良くないと他の人に先に買われてしまいます。

目当てのボックスがなかったり、近くに良い中古クラシック店がないなら、HMV や Tower Records で輸入盤ボックスを探すと良いでしょう。

オススメのボックス 30

mojix さんは、「500 円前後を 10 枚買った」そうなので、5 千円前後のボックスを紹介しましょう。

値段は、HMV のマルチバイ・キャンペーン価格です。

バロック

ドイツの名門レーベル「ドイツ・ハルモニア・ムンディ」の設立 50 周年を記念したボックスです。バッハの「音楽の捧げ物」(クイケン兄弟)、「無伴奏チェロ組曲」(鈴木秀美: レコ芸特選)、「ゴルトベルク変奏曲」(レオンハルト) といった名盤を筆頭に、バロック音楽の名曲が揃っています。バロックの入門にどうぞ。

バッハ、ヴィヴァルディの作品が少なめで、色んな作曲家の作品を幅広く集めているのが特徴です。

個人的にはビーバーの「レクイエム」、カッチーニの歌曲、ラッススの「レクイエム」、マショーの「ノートルダム・ミサ」、モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」、パッヘルベルのモテット集、アレッサンドロ・スカルラッティの「ヨハネ受難曲」が入ってたのが嬉しいです。

今回紹介するボックスで、一番コスト・パフォーマンスの高いものです。バロック音楽のディスクが 60 枚集められています。ドイツ・ハルモニア・ムンディのボックスと比べると、バッハ・ヴィヴァルディの量が多めです。

名盤と呼ばれているものに、バッハの「ブランデンブルク協奏曲」(クイケン & ラ・プティット・バンド)、「音楽の捧げ物」(レオンハルト夫妻、クイケン兄弟、コーネン)、ヴィヴァルディの「四季」(クイケン & ラ・プティット・バンド) などがあります。

個人的には、バッハの「フーガの技法」、ヘンデルの「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」、シャンパンティエの「テ・デウム」、ペルゴレージの「スターバト・マーテル」、パーセルの「アーサー王 (ハイライト)」、53 声部のザルツブルク大聖堂祝典ミサを聞けたのが良かったです。あと、60 枚目の『バロック小品集』がお気に入り。おなじみパッヘルベルの「カノン」、アルビノーニの「弦楽のためのアダージョ」、クラークの「デンマーク王子の行進」、バッハの「メヌエット」、グルックの「精霊の踊り」が収録されています (L. R. デ・バヤリスの「第 1 旋法のハカラス」という曲も隠れた名曲!)。

欠点も挙げておきましょう。二つあります。一つは、「ドイツ・ハルモニア・ムンディ設立 50 周年記念限定 BOX」と重複が少しあること。もう一つは、抜粋版が 12 枚あること (できれば全曲盤で入れて欲しかった)。ただ、欠点を差し引いても良いボックスです。安いですしね。私は「ドイツ・ハルモニア・ムンディ」のボックスと併せて両方買いました。

イタリアの古楽合奏団「イル・ジャルディーノ・アルモニコ」のボックス・セットです。跳ねるような刺激的な演奏を聞くことができます。

目玉は、ヴィヴァルディの「四季」とバッハのブランデンブルク協奏曲。大穴は、パッヘルベルの「カノンとジーク」。小アンサンブルで合奏されていて、新鮮な演奏です。普段は省略されている「ジーク」も収録していてニクイです。あと、ディスク 4 の「クリスマス協奏曲集」も私は好きです。コレッリの「クリスマス・コンチェルト」とかね :)

ヴィヴァルディ、バッハ

デッカ・レーベル所蔵のヴィヴァルディから、40 枚選んだもの。ヴィヴァルディ好きにはたまらないボックス・セットです。

CD 1〜19 はヴィヴァルディの作品番号付き作品 (作品 1〜作品 12: 有名な「四季」は作品 8 に入っています)。CD 20〜29 は宗教曲、合唱曲。CD 30〜35 は様々な楽器の協奏曲、CD 36, 37 はヴィヴァルディの曲をバッハがチェンバロやオルガンに編曲したもの、CD 38 はカンタータ、CD 39,40 はセレナータ「祝されたセーナ」(全曲)。

このボックスに収録されている「四季」は、名盤として有名なイ・ムジチの第ニ回録音 (アーヨ指揮、59 年録音) です。

盲目のオルガニスト (チェンバリストでもある) ヘルムート・ヴァルヒャがバッハのオルガン曲を全曲録音したもの (本当に全曲録音しているのかどうかはよく分かりません ^^;)。録音されたのは、1947 年と 1950 年〜52 年。なのでモノラル録音です。

こういう安くて古い名盤セットで名曲をさらっておいて、気に入った曲を改めて買うというのはいかがでしょう。

バッハのスペシャリストとしても名高いアンドラーシュ・シフのボックス・セットです。バッハの鍵盤楽器のための作品を全て収録しています (「フーガの技法」を除く)。

平均律クラヴィーア、インベンションとシンフォニア、イギリス組曲、フランス組曲、パルティータ、ゴルトベルク変奏曲、どれもいいです。私はこのボックス・セットで初めてピアノの「半音階的幻想曲とフーガ」を聞きました。

モーツァルト

モーツァルトの交響曲を 46 曲収録しています。指揮者はアレッサンドロ・アリゴーニ。無名な人です。録音は 90 年代でしょう。

安かろう悪かろう、と思われがちですが、意外とまともな演奏しています。間違っても「名盤」に数えられないでしょうけど、非道い演奏でもありません。特に初期の作品は、(作品上) 難しいことが要求されないだけに、肩から力を抜いて聞けると思います。

モーツァルトの交響曲に触れてみたい人におすすめです。

モーツァルトの (独奏) ピアノ協奏曲全集です。バレンボイムはピアノを弾きながら指揮をしています。いわゆる指揮振りです。この全集で欠けているのは 7 番と 10 番で、前者は 3 台のピアノのための、後者は 2 台のピアノのための協奏曲です (大低のピアノ協奏曲全集では、7 番と 10 番が省かれています)。

モーツァルトのピアノ協奏曲 1 番〜 4 番は、他人の独奏曲にモーツァルトが管弦楽を付ける形で構成されています。なので、純粋にモーツァルト作曲と呼ぶのは語弊があります。そのため、多くのピアノ協奏曲全集では 1 番〜 4 番を省いています。このバレンボイムの全集は 1 番〜 4 番も録音していて、珍しい曲を聞くことができます。

また、モーツァルトのピアノ小協奏曲とも言える「ピアノと管弦楽のためのロンド」1 番と 2 番を収録していることも嬉しいです。

この全集では、ピアノ協奏曲 22 番が名盤として名高いです。

モーツァルトの弦楽四重奏曲から、ハイドン・セット (第 14 番〜第 19 番)、第 20 番〜第 23 番、弦楽五重奏曲 3 番と 4 番、ピアノ四重奏曲第 2 番、そしてピアノ協奏曲第 12 番のピアノ五重奏編曲版を収録したボックスです。

アンバン・ベルクの弦楽四重奏曲なら、何を持っていても外れはないでしょう。

モーツァルトの大家ヴァルター・ギーゼキングが、モーツァルト生誕 200 周年記念のために録音した全集です。モーツァルトのピアノ・ソナタの他、変奏曲や初期の小品など、録音当時に知られていたモーツァルトの真作を全て録音しています。モノラル録音ですが、モーツァルト・ファンなら是非一セット押さえておいて欲しいものです。

初期の小品、ピアノ・ソナタ 8 番、11 番、14 番、15 番、キラキラ星変奏曲は名演。私はギーゼキング・ファンなので、誉め始めると止まらなくなりそう。なので、次に行きましょう (私がこのボックスを買った時は、輸入盤ボックスでも 8000 円したのに、安くなったなぁ)。

ベートーヴェン

往年の名指揮者トスカニーニの全集です。モノラル録音です。

トスカニーニは、特に 1 番と 7 番がいいです。あとは、3 番と 5 番と... ええと、まぁ、全集がおススメです。

フルトヴェングラーやワルターにも、同価格帯の全集があると思ったのですが見つかりませんでした。残念。特にワルターのコロンビア so とのステレオ全集は、是非にも紹介したかったのですが... ウーム。

3 千円代で出た最初のベートーヴェン交響曲全集だったんじゃないかしらん。発売当初のインパクトが凄かったんで、リストに挙げたんですけど、見直してみると最近はもっと安い全集がポンポン出てるんですねー。

どの曲が名盤ってこともないんですけど、どれもドイツーな感じで、ラク〜に聞けます。

「クラシック CD の名盤 (旧版)」において、福島章恭氏がベートーヴェンの交響曲全集としてイチオシしていた全集です。ちなみに同新版では、ハイティンクの全集に鞍替えされています。

クラシックCDの名盤 (文春新書)

おそらく、今、一番安く買えるベートーヴェンの交響曲全集です。クリップスはモーツァルトの指揮者として鳴らした人。値段は安いけど、悪くない演奏ですよ。ただ、ベートーヴェンの交響曲全集は競合盤が多いので目立たなくなってるだけで。

アーノンクールによる古楽スタイルの全集。1992 年の The Gramophone Awards で Record of the Year を受賞。

これは私が 2 つ目に買った交響曲全集 (1 つ目はワルター & コロンビア so) です。当時 9000 円したような...

私は 1 番・3 番・6 番が名演だと思うのですけどね。あまり評価されていない気がします。

グルダがベートーヴェンのピアノ協奏曲とピアノ・ソナタを全部録音したもの。ピアノ協奏曲は 2 回目の全集 (Decca レーベル、1970,71 年、ステレオ録音)、ピアノ・ソナタもグルダ 2 回目の全集 (AMADEO レーベル、1967 年、ステレオ録音) です。

私は、ピアノ・ソナタ全集だけ持っています。ピアノ協奏曲全集も付いて、これだけ低価格なセットがあると知っていれば、こちらを買っていたのに (涙)。

アルバン・ベルクを買っておけば、まず間違いないです。

ベートーヴェンの大家アルトゥール・シュナーベルの全集です。録音は 1932 年から 35 年。世界で最初のベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集です。この録音がされたイギリスでは、今だ、この全集を「聖典」と呼んでいるとかいないとか。

演奏も録音も古いですが、時代を越える良さを持っています。

後期 3 大ソナタ (30、31、32 番) は今でも名盤として挙げられる名演。あと 14 番「月光」はベートーヴェン本人が弾いているような凄演!

ちなみに、私が初めて買ったボックス・セットはシュナーベルのピアノ・ソナタ全集でした。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の録音をフランス人で最初に行なったのが、イーヴ・ナットです。録音は 1951 年〜 55 年。シュナーベルは録音が古すぎるという人に、私はナットを勧めています。シュナーベルと同じく後期 3 大ソナタが名演。14 番「月光」もシュナーベルより聞きやすくなっています。

この全集はナットの録音全集なので、ベートーヴェン以外に、シューマン、ショパン、シューマン、ナット本人の作品が収録されています。あと、フランク、ブラームス、リスト、ストラヴィンスキーの曲が 1 つずつですね。

ナットのシューマンも素晴らしく、特に「子供の情景 作品 15」は絶品です。

私はナットの演奏を、ベートーヴェン全集 (8 枚組) とシューマン選集 (4 枚組) の二組持っています。残り 3 枚分を買うために、この全集を買おうか悩む日々です :p

名ピアニスト、アルフレート・ブレンデルがフィリップス・レーベルに移る前 (ヴォックス、ヴァンガード、ナーナバウト) の録音を集体成したボックスです。

ブレンデルの最初のベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全集が収録されています。

ショパン、シューマン

ショパンの作品全集 (ピアノだけでなく歌曲、室内楽曲含む) です。HMV レビューによると、新しく発売された「マズル」、コントルダンス、フルートとピアノのための変奏曲が洩れているようですが、ほぼ完璧な全集と思ってよいでしょう。

この全集の面白いところは、メインの全集が 17 枚あるのに加えて、歴史的名演集を 13 枚加えているところです。演奏者は、ソロモン、リパッティ、バレル、モイセイヴィチ、ゴドフスキー、ラフマニノフ、ブライロフスキー、ローゼンタール、ホロヴィッツ、キレニー、キタイン、ブーニョ、ド・パハマン、フリードマン、コルトー、ルービンシュタイン。まあ、伝説のような名前がぞろぞろと。。。

是非聞いて欲しいのは、バレルの「バラード 1 番」、ラフマニノフの「ピアノ・ソナタ 2 番」、ド・パハマンの「ワルツ」、コルトー (全部!)。ゴドフスキーとローゼンタールなんて、録音が残ってるだけでも有難い! んですけど、皆さん知らないんでしょうねぇ。

ウィーンの三羽烏として名声を博した (他の二人はグルダとバドゥラ=スコダ) イェルク・デームスによるシューマンのピアノ独奏曲全集。

ショパンのピアノ独奏曲全集は多いけど、シューマンの独奏曲全集はあまり見かけません。おそらく、5 千円を切るものはデームスのものしかないんじゃないかしらん。「子供の情景」や「クライスレリアーナ」みたいな有名曲もいいけれど、「子供のためのアルバム」の愛らしい曲集や「パガニーニのカプリースによる練習曲 (op.3 と op.10)」の技巧曲なんかもいかが?

チャイコフスキー、リヒャルト・シュトラウス、ショスタコーヴィッチ

チャイコフスキーの 3 大バレエです。組曲もいいですが、一度は全曲通して聴いてみませんか?

昔、「白島の湖」を買いに行ったら、国内盤のとなりにこの 3 大バレエ全集 (輸入盤ボックス) が置いてありました。値段を比べると、ボックス・セットの方が 10 円位いの差しかない (確か輸入盤の方が高かったです)。同じ指揮者、同じ演奏で、片方は「白島の湖」だけ。もう一方は「くるみ割り人形」と「眠りの森の美女」がセットでついて同値段。「買うなら輸入盤ボックスに限る」と思った、印象の強いセットです。

リヒャル・シュトラウスの管弦楽曲作品集です。管弦楽曲作品集と言いつつ、「4 つの最後の歌」も収録しています。ちなみに協奏曲は入っていません。

ショスタコーヴィッチの大家の一人、コンドラシンのショスタコーヴィッチ交響曲全集です。交響曲全集に加えて、初演二日後に行なわれた「バービー・ヤール」の録音、それからヴァイオリン協奏曲 1 番・2 番を収録している所がポイント。

チェリスト、ピアニスト

アンナー・ビルスマはバロック・チェロ (古楽器のチェロ) の大家です。彼の名盤の中から 11 枚をセレクトしたボックス・セットです。

バッハの「無伴奏チェロ組曲 (旧録音・全集)」とベートーヴェンの「チェロ・ソナタ (全曲)」が目玉です。他にはメンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲」、ボッケリーニの作品集がおススメ。ベートーヴェン以前のチェロ曲が堪能できます。

女流チェリスト No.1 ジャクリーヌ・デュ・プレのボックス・セットです。

デュ・プレと言えば、エルガーのチェロ協奏曲! 涙が止まりません。

ベートーヴェン以降のチェロの名曲 (ドヴォルザークとかシューマンとか) を聞きたい人はどうぞ。

天才ピアニスト、ミケランジェリの 10 枚組ボックスです。

シューマンの「謝肉祭」、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ 32 番」、ドビュッシーの作品がおススメ。あと、ヴァチカン・ライヴは有名。

CD1 だけ古い録音なので、どうしたことかと思ってみたら、そこに収録されているベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ 3 番」がえらい名演でした。Vol.2 では、ドビュッシーの前奏曲第 1 巻・第 2 巻が全て聞けるのが嬉しいです。

クリスマス

クリスマスに関連する曲を集めた 3 枚組のボックスです。値段が格安なのがウリ。HMV でマルチ・バイする時、もう一枚に悩んだらこちらをどうぞ。

収録曲は、Schiassi の「Christmas Symphony」、ロカテッリの「Concerto Grosso」、トレッリの「クリスマス・コンチェルト」、ヴィヴァルディの「Concerto Op.10-5」、Manfredini の「クリスマス・コンチェルト」、コレッリの「クリスマス・コンチェルト (Concerto Grosso Op.6-8)」、バッハ/グノーの「アヴェ・マリア」、スカルラッティの「Cantata Pastorale」、ガルッピの「Christmas Aria」、Bernhard の「クリスマス・カンタータ」、バッハ/レーガーの「アリア nach "O Mensch bewein dein Sunde Gross"」、テレマンの「Festliche Suite」、ワーナーの「Shepherd's Music for Christmas」、Mammartini の「クリスマス・コンチェルト」、作曲者不明「Coventry Carol」、ハイドンの「クリスマス・シンフォニー (交響曲第 26 番)」。

あとがき

いかがでしたか? 本エントリーは安く広くを目的にディスクを紹介しました。ボックスを買った浮いたお金で、名盤や新譜を買うとバランスが取れるんじゃないかと思います。

あと、もう少しお金を出すと「名盤のボックス・セット」も買えちゃったりします。

よい曲、よい演奏、よい録音との出会いがありますように。