2011-02-27

四方世界の王 (定金 伸治)

定金伸治の「四方世界の王」という本がお気に入り。

四方世界の王 1 総体という名の60(シュシュ) (講談社BOX) 四方世界の王2 あるいは50(ハンシュ)を占める長子 (講談社BOX) 四方世界の王3 40(エルバ)の智は水のごとく流れる (講談社BOX) 四方世界の王4 あらゆるものの半身、月齢の30(シャラーシャ) (講談社BOX) 四方世界の王5 荒ぶる20(エーシュラ)の太陽と変異 (講談社BOX)

月刊シリウスで雨音たかし氏によるマンガ版が連載されていて、面白いと思ったのがきっかけ。

四方世界の王(1) (シリウスコミックス) 四方世界の王(2) (シリウスコミックス)

物語の舞台は古代メソポタミア

主人公ナムルのいる国はバービルム。後のバビロニア。ハンムラビ法典を定めたハンムラビ王の治世が始まる直前が舞台です。Wikipedia によると、ハンムラビ王が生きたのは BC. 1810 年頃〜 1750 年頃とありますから、随分古い時代を描いた作品になります。

紀元前 19 世紀というと、古代エジプトは中王国時代に入りまだピラミッドが造られており、古代中国で最古の王朝「夏」が「商 (殷)」王朝に滅ぼされていた頃です。

バービルムは北にアッシュール、南にラルサという大国に挟まれ、両大国の緩衝地となっているのが現状。隣国エシュヌンナともども、なんとか国を潰されないように頑張っている最中です。題名に現れる「四方世界」とは、バービルム、アッシュール、ラルサ、エシュヌンナの四国を指し、それは (当時の認識としては)「世界の全て」を意味しています。

定金伸治作品のお約束。勝ち気で不思議なヒロイン・シャズに引きずり込まれるようにして、大国間の戦いに巻き込まれていくナムル。書記を目指していた少年が、シャズに「私とともに四方世界の王になれ」と言われるのですが...

物語

ヒロイン・シャズの深謀遠慮っぷりがなんとも魅力。一巻目のナムルは、シャズの謀略の歯車として走り回っているだけ (orz)。ナムルは主人公のくせに「何もできない」っぷりを大公開 (もとが書記見習いですから)。そんな彼が、シャズを守るために強くなるのが 2 巻目以降。

対する強敵にラルサのリム=スィーン王。まだ物語には影を落とす程度ですが、国土を充実させ、四方世界統一への覇権を狙います。「四方世界の王」には「胞体」と呼ばれる能力が出てくるのですが、その最大の「胞体能力者」がこのリム=スィーン王。きっと最強の敵となるのでしょう。ちなみに、シャズやナムルも胞体を使いますが、その力はこの世界で最弱。その最弱の力に謀略をかけあわせて強大な敵と戦かっていくところが、後半の面白味になってきます。

そして、今、魅力なのがアッシュールを一代で樹てた傭兵王シャシム=アダトと、エシュヌンナの天才イバルピエル王子。二人とも胞体の使い手でないにも関わらず、軍略と知恵と勘で大きく国を動かします。こういう能力者でない者達が、ナムルら能力者の大きな壁となったり味方となったりする物語運びが、「四方世界の王」の面白さでしょうか。

物語は続く...

「四方世界の王」は 2009 年 1 月から刊行開始。当初は毎月刊行・全 12 巻完結の予定だったそうですが、その計画は 4 巻目で挫折。2010 年 6 月に約一年ぶりの 5 巻目が発刊されました。その後書きに

書いていると、どうしても書きたいことや書かねばならないことが増えるのですね。巻数もたぶん二冊増えるかと思います。予定では全十四巻。(中略)

とはいえ、さすがにこのページ数で毎月というのは無理なので、ひと月おき刊行ということにさせていただきました。

とあり、第 6 巻は 2010 年夏発売と楽しみにしていたのですがまだ発売されていません。購談社の BOOK倶楽部 書籍発売予定表には、9 月・10 月と 6 巻発売の予告が出たものの、気がつくと予定表から消滅。マンガ版が掲載されている月刊シリウスにも原作第 6 巻は今冬発売とあるにもかかわらず2/26 発売の最新号で「今春発売」となっていました、4 月の予定表にも「四方世界の王 第 6 巻」の姿はなし。

こうなると、急がなくてもよいですので中途半端にせず完結を目指して欲しいものです。

2011-02-18

内田光子グラミー賞受賞

内田光子がグラミー賞を受賞したそうですね。アルバムは、モーツァルトのピアノ協奏曲 23 番、24 番。クリーブランド・オーケストラの弾き振り。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 第24番

内田光子について

私は内田光子の演奏が好きです。特に彼女の演奏するモーツァルトが素晴らしい。内田さんは 1980 年代にジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団と既にモーツァルトのピアノ協奏曲全集を録音しています。その CD を聞いて、私は彼女の演奏がとても好きになりました。内田光子のピアノは正道を行くもので、テイトのサポートも素晴らしく、ピアノとオーケストラの息がぴったり。世界で五本の指に入る全集ではないかと思います。

クラシック界で活躍する日本人アーティストは数多くいますが、100 年経って素晴らしいと記憶に残る CD を残した人はどれほどいるでしょう? 五嶋みどりによる「パガニーニの 24 のカプリース」などと並んで、内田光子のモーツァルトの演奏は 100 年経っても忘れられない名盤となると思っています。

そんな彼女のモーツァルトのピアノ協奏曲再録音。とても期待です... 全集が揃ったら買おうと考えています。

2011-02-11

テン・ホルトの Canto Ostinato (Wieringa & de Haas)

この前買ったシメオン・テン・ホルトのピアノ曲集が素晴らしい。

そこで、その中の一曲 Canto Ostinato をもう一枚買いました。レーベルは Et'cetera。値段は 1,789 円。演奏者は、Kees Wieringa と Polo de Haas の二人です。

Canto Ostinato
Holt Wieringa De Haas

B001B5CSO4
Etcetera 2009-10-13
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前エントリーで紹介したボックスでは、Canto Ostinato は 4 人のピアノ・アンサンブル (4 台のピアノ) によって演奏されていました。しかし、今回の盤は 2 台のピアノで演奏されています。

4 台版 Canto Ostinato では、「浸る癒し」のようなものうたげなゆるやかさがありました。それもまた良いのですが、こちらの Wieringa と de Haas の演奏は趣きが違って別の良さがあります。

まず曲の入り方。これが速い。基本的にグイグイと推進力のある演奏です。ここに「浸る癒し」はありません。音の繰り返しの流れに巻き込まれて、一種フワリとするのですが、聞き流すよりも聞き込んでしまう魅力が彼らの演奏にはあります。それは、ピアノの数が 2 台になったり、スピードが速かったり、(おそらく) 繰り返しの回数が減らされていることも微妙に関係しているのでしょう。演奏時間は 75 分 29 秒。CD 1 枚に納まっているのも嬉しいところです。

ネットの説明を読むと、この CD はオランダで 15,000 枚の大ヒットを記録し、Winner of the Golden CD Award in 2001 に輝いたとか。それも納得の演奏です。これからは、テン・ホルトの CD をもう少し集めてみようかな?

2011-02-10

支倉凍砂の次作

人気シリーズ狼と香辛料を完結させた支倉凍砂氏の次作情報が、「狼と香辛料 (16)」のあとがきに少しありました。

次は獣耳出すよ。獣耳は哲学だよ。

そうか。獣耳は哲学だったのか!? ツボに入りました。どれだけツボに入ったかというと、この一文を紹介したいがために、一エントリー書いた位いにツボでした。

次作、とても楽しみにしています。

狼と香辛料 完結

狼と香辛料 (支倉凍砂・著、電撃文庫) が、全 16 巻で完結しました (最後の 15・16 巻は上・下巻発売)。

狼と香辛料〈15〉 太陽の金貨<上> (電撃文庫) 狼と香辛料〈16〉太陽の金貨〈下〉 (電撃文庫)

狼と香辛料 1-15巻セット (電撃文庫)
狼と香辛料 1-15巻セット (電撃文庫)

「ホロ、かわいいよ、ホロ」という名言を生み出したこのシリーズ。行商人ロレンス (♂) と賢狼ホロ (♀) のじれったいほどの心の結びつきを描いた良作です。正体は巨大な狼ながら、人の姿はかわいらしいホロ。見た目を裏切る「賢狼」ぶりと、何気にやきもち焼きなギャップが、こう心をくすぐりました。だから、「ホロ、かわいいよ、ホロ」なんて名言が生まれたんでしょうね。

物語は、行商人ロレンスを道案内に、ホロの生まれ故郷ヨイツを目指すというもの。ところが、ホロが故郷を発ってから数百年。ヨイツが何処にあるのかも分かりません。名前を変えたのかもしれないし、亡びたのかも分からないのです。ヨイツの情報を探すうちに、巻き込まれる事件と解決が、全 16 巻を通してのストーリーです。

「狼と香辛料」が他のライトノベルを大きく趣きを異にしたのは、主人公ロレンスを「商人 (行商人)」と置いたところでしょう。ファンタジーと商人の組み合わせというのは、初めてだったのではないでしょうか? 特に一巻目は貨幣に関する経済をミステリー風に扱った名作でした。

以降、「商人」としての「勝負」に勝ったり負けたり (得したり損したり) しながら巻数が進みます。「経済」の話をすると、一作目が「経済」本格ミステリー風だったのに対して、他の作品は「経済」商人物語風になったのは少し寂しいところです。その分、ロレンスとホロの心の繋がりがよく描かれていて、読んでいて楽しいんですけどね。

最終巻、「太陽の金貨 (上・下)」では再び「経済」本格ミステリー風な趣きに戻りました。そんな中、ホロが「出会った頃のこと、久々に思い出さぬかや。」なんて問うてくるので、ロレンスだけでなくこっちの心までホカホカとしてきましたよ。

最終巻で、とりあえずロレンスとホロはお互いに共に歩む道を選びます (このハッピー・エンドは良かったぁ)。でも、いくつかの伏線は未回収。途中で分かれたコルのその後は? 女ながらロレンスを手玉にとる敏腕商人エープのその後は? などなど。でも、そんな伏線は

後日譚を丸ごとエピローグとして出します。(中略) 多分初夏刊行予定です。

とのことなので、楽しみに待ちたいものです。

2011-02-09

Sway in "Shall We Dance?"

映画「Shall We Dance?」でかかったラテンの名曲「キエン・セラ (¿Quién será?)」が良かったと熱心に言われました。でも、「サントラを見てみたらキエン・セラが収録されていなかった」と、がっかりの声が続きました。おかしいな? と思って Amazon でサントラの曲名リストを拝見。一目見て納得しました。

ラテンの名曲「キエン・セラ」は英語版では「スウェイ (Sway)」という名前になっているのです。そして、サントラの収録曲名は「キエン・セラ」ではなく「スゥエイ」でした。この手の古い名曲だと、メロディーだけはよく知っているけど、曲名となると疎くなってしまいがちです。今回も、まさにそんな罠にかかってしまったわけですね。

ということを教えてあげたら、安心してサントラ盤を買っていました。めでたし。めでたし。

「Shall we Dance?」オリジナル・サウンドトラック
サントラ ピーター・ガブリエル ジェイミー・カラム レイチェル・フュラー マイア 久保田利伸 ザ・プッシーキャット・ドールズ ゴタン・プロジェクト ギゼル・ド・コール ピラール・モンテネグロ
「Shall we Dance?」オリジナル・サウンドトラック
曲名リスト
1. スゥエイ(プッシーキャット・ドールズ)
2. サンタ・マリア(GOTANプロジェクト)
3. ハッピー・フィート(インストゥルメンタル)
4. エスパーニャ・カーニ(インストゥルメンタル)
5. アイ・ウォナ(シャル・ウィ・ダンス)(Gizelle D’Cole&Pilar Montenegro)
6. ペルフィディア(インストゥルメンタル)
7. アンダー・ザ・ブリッジ・オブ・パリス(インストゥルメンタル)
8. ムーン・リヴァー(インストゥルメンタル)
9. アンダルシア(インストゥルメンタル)
10. ザ・ブック・オブ・ラヴ(ピーター・ガブリエル)
11. ジ{L}トレイン(インストゥルメンタル)
12. 一晩中踊れたら(ジェイミー・カラム)
13. ワンダーランド(レイチェル・フュラー)
14. シャル・ウィ・ダンス(インストゥルメンタル)
15. レッツ・ダンス(マイヤ)
16. ア・ラヴ・ストーリー(ダンシング・ウィズ・ザ・ユニバース・ミックス)

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購入したサントラ版を聞かせてもらいましたが、すこぶるパンチの利いたダンス・ナンバーに仕上がっていました。アタックのある音とピアノ、そして「ハッ」というかけ声で入る導入がかっこいいです。歌も、しっとりと歌うんじゃなくて、ラテンな感じに流して歌っていて、推進力があります。途中で入るコーラスやストリングも効果抜群。目も覚めるような「スウェイ」です。良い曲とベタ褒めするのが良く分かりました。

歌っているのは、Puccycat Dolls (PCD と略される)。アメリカのポップ・ガール・グループのようです。正直、このサントラ・アルバムに出会うまで知らなかったグループですが、彼女らの他の曲も聞いてみたいものです。ブックオフで見かけたら買ってみたいと思いました。

ref

Vivarte Box (60 枚組) とアンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション

Vivarte Box というクラシック音楽のボックスを買いました。60 枚組。12,495 円 (Amazon 価格)。

Vivarte Box Set
VARIOUS

B004FTOU6W
SONY CLASSICAL 2011-01-11
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「ヴィヴァルテ (Vivarte)」というレーベル名を私は寡聞にして知りませんでした。Amazon の説明に詳しいので引用します。

1989年、「テレフンケン」「セオン」「DHM」などの古楽の名プロデューサー、ヴォルフ・エリクソンは、ソニー・クラシカル内に古楽専門レーベル『ヴィヴァルテ』を設立することとなりました。それまで彼と友好的にレコーディングを行ってきたアーティストとともに、多くのピリオド楽器録音のすばらしい成果を残してくれました。(中略) 質の高い古楽演奏をコンスタントに供給してきたのは、名プロデューサー W.エリクソンの手腕なのでしょう。演奏だけでなく録音の面でも、当時最先端の20bitレコーディングやSBMなどの画期的な信号技術で、限りなく素晴らしいサウンドが再現されています。

このBOXでは、このレーベルで高い評価を得たアルバムばかりが選ばれ、ピリオド楽器による中世からロマン派まで幅広い時代の芸術を、様々な角度から味わうことのできる盛りだくさんな内容となっています。また、現在入手不可能な盤も数多く収録されているのもうれしいところです。

Amazon.co.jp: Vivarte Box Set: VARIOUS: 音楽 より引用

古楽専門レーベルということで、バッハ前後の作品が中心に収録されています。一番新しい作曲家はブラームスですね (つまり、ブラームス以後の作曲家は収録されていません)。

個人的には、ジーン・ラモン指揮のヴィヴァルディの「四季」やブルーノ・ヴァイル指揮のハイドンの交響曲集、同じくハイドンのオラトリオ「天地創造」、モーツァルトのレクイエム (ランドン版!) といったあたりが目玉商品かと思います。

また、普段単品の CD では絶対買わないけれど、聞いてみたいと思っていた古楽の曲集が入っているのも、このボックスを買った楽しみの一つであります。具体的には、「ネーデルランドのチェンバロ作品集」「16世紀イタリア音楽の諸相」「リュート音楽三世紀の旅」「フェビュスよ、進め」「ゴンベール: カール5世宮廷の音楽」「フランス・バロックのリュート歌」「17世紀のモテット集」「北ドイツのオルガン作品集」「フランスと南オランダのオルガン」「ユートピア=ルネサンスの勝利」といったところです (収録曲は Amazon の内容説明 をご覧下さい)。

アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション

Vivarte Box の中でチェリスト「アンナー・ビルスマ」は大きな位置をしめています。内容説明を引用しましょう。

その核となったのがベルギー、オランダでのピリオド楽器演奏活動の立役者のひとりであったアンナー・ビルスマ。彼を中心に結成された「ラルキブデッリ」は、柔軟な編成でさまざまなレパートリーをこのレーベルに残しました。

Amazon.co.jp: Vivarte Box Set: VARIOUS: 音楽 より引用

一つ困るのは、過去に「アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション」という 11 枚組のボックスが発売されていて、今回の Vivarte Box と重複する音源があることです。

アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション(11枚組)/Anner Bylsma: 70 years - Limited Edition -
Various

B0002TTWUI
SONY Classic 2007-01-01
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by G-Tools

「アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション」は今でこそ 8 千円近くしますが、私が買った時は 4,800 円と安かったです。おそらく、中古屋で探せば同じ位いの価格で見つかるのではないでしょうか?

それはさておき、Vivarte Box と「アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション」の重複具合を調べてみましょう。「アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション」の収録内容は以下の通り。このうち、重複する CD を赤色で示しました。

  • CD1,2 バッハ: 無伴奏チェロ組曲全曲
  • CD3,4 ベートーヴェン: チェロ・ソナタ全集
  • CD5 ボッケリーニ作品集
  • CD6 ブラームス: チェロ・ソナタ集
  • CD7 プロシア王とチェロの音楽
  • CD8 メンデルスゾーン: 弦楽八重奏曲
  • CD9 モーツァルト: ディヴェルティメント K.563
  • CD10 シューベルト: 弦楽五重奏曲
  • CD11 ヴィヴァルディ作品集

11 枚中 6 枚が重複しています。悩ましいのは「アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション」でも主要な作品が重複していることです。幸いなのは、バッハの無伴奏チェロ組曲が重複していないことですかね。「アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション」ではバロック・チェロを使った 1979 年の録音が収録されているのに対して、Vivarte Box では現代チェロ (ストラディバリウス「セルヴェ」) を使用した 1992 年の再録音が収録されています。両ボックスを揃えると、ビルスマの無伴奏チェロ組曲の新旧録音が手に入るのは嬉しいところです。

あとがき

私は既に「アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション」を持っていますが、6 枚の重複よりも残る 54 枚のディスクを買う、と割り切って Vivarte Box を買いました。「アンナー・ビルスマ・リミテッド・エディション」を持っていない人なら、なおさらお買い得なセットかもしれませんね。

2011-02-08

王様ゲーム 終極/臨場 (金沢 伸明)

モバゲータウン史上最高累計 3600 万閲覧数を記録した超絶ホラーという言葉にひかれて、「王様ゲーム」とその続編「王様ゲーム 終極」「王様ゲーム 臨場」を読みました (「終極」が 2 巻目、「臨場」が 3 巻目です)。

王様ゲーム 王様ゲーム 終極 王様ゲーム 臨場

「アイデアは一流、ストーリーは二流、文章は三流」というのが正直な感想です。「王様ゲーム」という手垢のついたお遊びを、三つの要素「強制参加・実現困難な命令・罰は死刑」で縛ったアイデアが一見非現実でありながら、ホラー小説の凄みを極立たせています。当然、「王様が誰か分からない」というホラーの王道も踏襲。理不尽な「死のゲーム」の枠組は素晴らしいものです。

王様からの簡単な命令を遊び半分で従う冒頭から、命令が常軌を免し始めるストーリー展開はホラー小説のお手本の様です。その命令を知恵をしぼってこなしつつ、王様を見つけようとする前半は王道でした。ただ「王様ゲーム」の中盤から、王様の命令が「読者ウケ」を狙った感じに変わっていったのが残念でした。「王様ゲーム 終極」でもその傾向が強く、ストーリーを紡いでいる感を弱く感じました。

最後に、不満に思ったのが会話中心に進む文章です。「会話」がスムーズにストーリーを展開させるようであるならば良いのですが、「王様ゲーム」の会話は不必要な感情の吐露が多く、洗練されていません。会話に「身」がないので、ページはサクサク進むのですが、主人公に感情移入しづらく読んでいて疲れます。

三作目の「王様ゲーム 臨場」になると、流石にこなれて文章が読み易くなります。ただ、前二作での伏線というかストーリーの破綻の煽りを喰って、なんとかつじつまを合わせようとアップアップしている様に感じました。

マンガ版・映画版

王様ゲームはマンガ化されています。マンガでは、文章の拙さをマンガ家さんがフォローしてくれるので、とても読み易くなっています。1 巻を読みましたが、十分面白いです。2 巻目以降はおそらく王様の命令が「読者ウケ」狙いなものに変わって来るので、そこをどう違和感なくまとめられるかがマンガ家さんの腕の見せ所になるのかな? 上手くいけば、原作より面白いマンガになると思います。期待しています。

王様ゲーム(1) (アクションコミックス)
画・連打 一人:作・金沢 伸明

4575838659
双葉社 2011-01-28
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また、王様ゲームは映画化が決定し、2011 年夏公開予定となっています。こちらも脚本と配役が上手くいけば... ちょっとだけですが期待です。

2011-02-07

シメオン・テン・ホルトのミニマル音楽

最近、テン・ホルト (1924- ) のピアノ曲をよく聞いています。

テン・ホルトについては HMV のレビューに詳しいので引用しましょう。

オネゲルとミヨーに師事したオランダの作曲家、シメオン・テン・ホルト[1923- ]は、フィリップ・グラスやスティーヴ・ライヒ(ライク)よりも少し上の世代に属し、若い頃はセリー技法に基づく前衛的な作品なども書いていましたが、後年、ミニマルな作風に移行、ピアノによる心地よい音楽などにより、オランダではかなりの人気を博しています。

今回登場するのはピアノによるミニマル音楽を中心としたセットで、複数のピアノが織り成す連続的で心地よい音の流れが、ときに叙情的に、ときに劇的な表情を見せて実におもしろい仕上がり。

ピアノ作品集 オルデンブルフ、ファン・フェーン、ルッソ(11CD)【CD】-テン・ホルト|クラシック|音楽|HMV ONLINE オンラインショッピング・情報サイト より引用

ここで言うミニマル音楽とは「音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽」のことだそうです。クラシック音楽で「反復」というとカノンやフーガを思い浮かべますが、テン・ホルトのミニマル音楽はもっとシンプルです。複数声部が現れるわけでもなく、同じようなフレーズが繰り返されます。でも、それが少しずつズレて何とも言えない安らぎに至るのです。

今回買ったテン・ホルトのピアノ作品集は、11 枚組で 2,421 円 (お買い得!!)。Brilliant Classics の在庫限り処分品とのことです。収録曲は以下の 6 曲。

  1. カント・オスティナート
  2. レムニシャート
  3. ホリゾン
  4. インカンタティーIV
  5. メアンドレス
  6. シャドウ・ノル・プレイ

「シャドウ・ノル・プレイ」以外はピアノ・アンサンブル (イレーネ・ルッソ、フレド・オルデンブルフ、サンドラ・ファン・フェーン、イェローン・ファン・フェーン) の演奏で各々 2 時間を超える大作。「シャドウ・ノル・プレイ」はピアノ・デュオでフレド・オルデンブルフとイェローン・ファン・フェーンの演奏です。

感想

テン・ホルトのミニマム音楽は、バッハの平均律やベートーヴェンのピアノ・ソナタの様に集中して聞くタイプではありません。ここには、今までのクラシック音楽になかった「浸る癒し」があります。クラシック音楽より BGM や イージー・リスニングに近いと言っても良いかもしれません。だからと言って、テン・ホルトの曲の素晴らしさが失なわれるわけではありません。2 時間に及ぶ大曲。浸って浸って浸りきる。テラスで本を読みながらかけると最高に気持ちの良さそうな音楽です。

フルトヴェングラー/ザ・レガシーと EMI/RIAS ボックスの重複を調べてみた

先のエントリーで Membran レーベルからフルトヴェングラーの107 枚組ボックス「フルトヴェングラー/ザ・レガシー」が予約中であると書きました。

しかし、今年はフルトヴェングラーの生誕 125 周年に当たるので、既に他のメーカーからも目玉となる様なボックスが登場しています。その中で、特に目をひくのが EMI が出す「ザ・グレート EMI レコーディングス (21 枚組)」と Audite が出す「ザ・コンプリート RIAS レコーディングス (12 枚組)」の二つです。

「グレート EMI レコーディングス」は、EMI からリリースされたフルトヴェングラーの代表的名盤を集めたものです。このボックスは収録内容の充実度もさることながら、ベートーヴェンとブラームスの交響曲全集が新たにリマスタリングしなおされている点が注目です。

「コンプリート RIAS レコーディングス」は RIAS 音源を全て収録したボックスです。RIAS は、Rundfunk im amerikanischen Sektor の略で、西ベルリンのアメリカ軍占領地区にあった放送局を指します。戦後、フルトヴェングラーもこの放送局用に録音を残しました。Audite レーベルはこの音源を丁寧にリマスタリングし、音質の向上を行なっています。

「ザ・レガシー」を聞いていないので明言は出来ませんが、今までの Membran レーベルの音から予想するに、EMI ボックスも RIAS ボックスも「ザ・レガシー」より良い音質であると私は思います。

重複音源

既にこれらのボックスを持っている人は、ザ・レガシーの収録内容との重複が気になることでしょう。また、まだこれらのボックスを買っていない人は、値段と物量と音質を量りにかけるためにも、どの音源が重複しているかチェックしたいでしょう。重複が少ないから「ザ・レガシー」を買うという判断もありですし、自分の好きな曲は重複が多いから音質優先で他のボックスを買うという判断もありでしょうからね。

そういうわけで、「ザ・レガシー」と重複する音源に色を付けてみました。「グレート EMI レコーディングス」と重複する音源を青色で、「コンプリート RIAS レコーディングス」と重複する音源を赤色で書きました。参考になれば幸いです。

なお、フルトヴェングラーは同曲異演が山の様にある上、録音日がレーベルによって違うことが多いため、ほぼ間違いなく同一音源と思われるものだけ色を付けています。それでも間違いがあるかもしれません。もし同曲異演を同一音源としていたり、逆に同一音源と思われるものに色を付けていない場合はコメント頂けるとありがたいです。

  • バッハ (1685-1750)
    • 管弦楽組曲 第 3 番 BWV.1068 (BPO; 22.10.1948)
    • 管弦楽組曲 第 3 番 BWV.1068 より エアー (BPO; 1929)
    • ブランデンブルク協奏曲 第 3 番 BWV.1048 (VPO; 31.08.1950)
    • ブランデンブルク協奏曲 第 3 番 BWV.1048 抜粋 (BPO; 1930)
    • ブランデンブルク協奏曲 第 5 番 BWV.1050 (VPO; 31.08.1950)
    • マタイ受難曲 BWV.244 (VPO; 14-17.04.1954)
  • ヘンデル (1685-1759)
    • 合奏協奏曲集 Op.6-5 (BPO; 22.04.1954)
    • 合奏協奏曲集 Op.6-10 (BPO; 19.12.1949)
  • グルック (1714-1787)
    • 歌劇「アルチェステ」序曲 (BPO; 28.10.1942)
    • 歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲 (VPO; 08.03.1954)
    • 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」 (07.04.1951)
  • ハイドン (1732-1809)
    • 交響曲 第 88 番 Hob.I-88 (BPO; 05.12.1951)
    • 交響曲 第 94 番 Hob.I-94「驚愕」 (VPO; 25.09.1950)
  • モーツァルト (1756-1791)
    • 交響曲 第 39 番 K.543 (BPO; 08.02.1944)
    • 交響曲 第 40 番 K.550 (VPO; 07 & 08.12.1948 & 17.02.1949)
    • セレナーデ 第 10 番 (管楽のための) K.361「グラン・パルティータ」 (10, 19 & 28.11.1947 & 03.12.1947)
    • セレナーデ 第 13 番 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 (VPO; 01.04.1949)
    • ピアノ協奏曲 第 10 番 (2 台のピアノための協奏曲) K.365 (ベラ, バドゥラ=スコダ, VPO; 08.02.1949)
    • ピアノ協奏曲 第 20 番 K.466 (ルフェルビュール, BPO; 15.05.1954)
    • ピアノ協奏曲 第 22 番 K.482 (バドゥラ=スコダ, VPO; 27.01.1952)
    • 歌劇「後宮からの逃走」序曲 (BPO; 1933)
    • 歌劇「フィガロの結婚」序曲 (BPO; 1933)
    • 歌劇「フィガロの結婚」 K.492 (VPO; 07.08.1953)
    • 歌劇「ドン・ジョバンニ」 K.527 (VPO; 06.08.1954)
    • 歌劇「ドン・ジョバンニ」 K.527 抜粋 (VPO; 27.07.1950)
    • 歌劇「魔笛」 K.620 (VPO; 01.08.1951)
    • 歌劇「魔笛」 K.620 より「フム フム フム」(VPO; 27.07.1949)
  • ケルビーニ (1760-1842)
    • 歌劇「アナクレオン」序曲 (VPO; 11.01.1951)
  • ベートーヴェン (1770-1827)
    • 交響曲 第 1 番 Op.21 (13.07.1950)
    • 交響曲 第 2 番 Op.36 (VPO; 03.10.1948)
    • 交響曲 第 3 番 Op.55「英雄」 (VPO; 26 & 27.11.1952)
    • 交響曲 第 3 番 Op.55「英雄」より 第 4 楽章 (BPO; 20.06.1950)
    • 交響曲 第 4 番 Op.60 (VPO; 01-03.12.1952)
    • 交響曲 第 5 番 Op.67「運命」 (BPO; 27.05.1947)
    • 交響曲 第 5 番 Op.67「運命」より 第 1 楽章 (BPO; 16.10.1926)
    • 交響曲 第 6 番 Op.68「田園」 (VPO; 24 & 25.11.1952)
    • 交響曲 第 7 番 Op.92 (VPO; 18 & 19.01.1950)
    • 交響曲 第 8 番 Op.93 (BPO; 14.04.1953)
    • 交響曲 第 9 番 Op.125「合唱」 (29.06.1951) aka. バイロイトの第九
    • 交響曲 第 9 番 Op.125「合唱」より 第 1 楽章 (BPO; 19.04.1942)
    • 交響曲 第 9 番 Op.125「合唱」より 第 2 楽章 (VPO; 30.05.1953)
    • コリオラン序曲 Op.62 (VPO; 29.10.1951)
    • レオノーレ序曲 第 2 番 Op.72 (BPO; 18.10.1949)
    • レオノーレ序曲 第 3 番 Op.72a (VPO; 02.06.1944)
    • エグモント序曲 Op.84 (BPO; 1933)
    • エグモント序曲 Op.84 (BPO; 27.05.1947)
    • 大フーガ Op.133 (VPO; 30.08.1954)
    • 弦楽四重奏曲 第 13 番 Op.130 (オーケストラ編曲版) より カヴァティーナ (BPO; 1940)
    • ピアノ協奏曲 第 1 番 Op.15 (エッシュバッハー; 27.10.1947)
    • ピアノ協奏曲 第 4 番 Op.58 (ハンセン, BPO; 03.12.1943)
    • ピアノ協奏曲 第 4 番 Op.58 より 第 3 楽章 (スカルピエーニ; 19.01.1952)
    • ピアノ協奏曲 第 5 番 Op.73 (エトヴィン・フィッシャー; 19 & 20.02.1951)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.61 (シュナイダーハン, BPO; 18.05.1953)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.61 より 第 3 楽章 (レーン, BPO; 12.01.1944)
    • ロマンス 第 1 番 Op.40 (メニューイン; 09.04.1953)
    • ロマンス 第 2 番 Op.50 (メニューイン; 09.04.1953)
    • 歌劇「フィデリオ」 (VPO; 13-17.10.1953)
    • 歌劇「フィデリオ」より「ねえ,俺たちだけ。」 (VPO; 03.08.1948)
    • 歌劇「フィデリオ」抜粋 (VPO; 05.08.1950)
  • ウェーバー (1786-1826)
    • 歌劇「魔弾の射手」 Op.77 (VPO; 26.07.1954)
    • 歌劇「魔弾の射手」序曲 (BPO; 1926)
    • 歌劇「魔弾の射手」序曲 (VPO; 05.03.1954)
    • 歌劇「魔弾の射手」 Op.77 より 第 3 幕 前奏曲 (BPO; 1935)
    • 歌劇「オイリアンテ」序曲 (BPO; 04.05.1954)
    • 歌劇「オベロン」序曲 (VPO; 01.02.1950)
    • 舞踏への勧誘 Op.65 (BPO; 1932)
  • ロッシーニ (1792-1868)
    • 歌劇「泥棒かささぎ」序曲 (BPO; 1930)
    • 歌劇「セビリアの理髪師」序曲 (BPO; 1935)
  • シューベルト (1797-1828)
    • 交響曲 第 8 番 D.759「未完成」 (BPO; 10.02.1952)
    • 交響曲 第 9 番 D.944「グレート」 (BPO; 11.1951 & 12.1951)
    • 劇付帯音楽「ロザムンデ」 D.797 抜粋 (VPO; 31.01.1951 & 02.02.1950)
  • ベルリオーズ (1803-1869)
    • 劇的物語「ファウストの劫罰」 Op.24 (26.08.1950)
    • 劇的物語「ファウストの劫罰」より ラコッツィ行進曲 (BPO; 1930)
  • メンデルスゾーン (1809-1847)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.64 (メニューイン, BPO; 25 & 26.06.1952)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.64 第 3 楽章 (デ・ヴィート; 07.03.1952)
    • 序曲「フィンガルの洞窟」 Op.26 (VPO; 19.08.1951)
    • 序曲「真夏の夜の夢」 Op.21 (BPO; 1929)
    • 序曲「真夏の夜の夢」 Op.21 (BPO; 28.09.1947)
  • シューマン (1810-1856)
    • 劇音楽「マンフレッド」序曲 (VPO; 24.01.1951)
    • 交響曲 第 1 番 Op.38「春」 (VPO; 20.10.1951)
    • 交響曲 第 4 番 Op.120 (BPO; 14.05.1953)
    • ピアノ協奏曲 Op.54 (ギーゼキング, BPO; 03.03.1942)
    • チェロ協奏曲 Op.129 (デ・マヒュラ, BPO; 28.10.1942)
    • チェロ協奏曲 Op.129 より フィナーレ (フルニエ, BPO; 13.11.1943)
  • ニコライ (1810-1849)
    • 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 (VPO; 18.01.1951)
  • リスト (1811-1886)
    • 交響詩 第 3 番「前奏曲」 (VPO; 03.03.1954)
  • ワーグナー (1813-1883)
    • ジークフリート牧歌 (VPO; 16 & 17.02.1949)
    • 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲 (VPO; 30 & 31.03.1949)
    • 歌劇「タンホイザー」序曲 (VPO; 02 & 03.12.1952)
    • 歌劇「ローエングリン」より 第 3 幕抜粋 (19.07.1936)
    • 歌劇「ローエングリン」より 第 1 幕 前奏曲 (VPO; 04 & 05.03.1954)
    • 楽劇「トリスタンとイゾルデ」 (10-22.06.1952)
    • 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より 前奏曲 (BPO; 27.04.1954)
    • 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より Mild und leise wie er lächelt (03.10.1947)
    • 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 (1943)
    • 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より Was duftet doch der Flieder (VPO; 05.09.1938)
    • 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」抜粋 (VPO; 04.04.1949)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ラインの黄金」 (26.10.1953)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」 (29.10-06.11.1953)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ジークフリート」 (11.1953)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」 (09.1953)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ラインの黄金」より 第 1 場抜粋 (02-11.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ラインの黄金」より 第 4 場抜粋 (02-11.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」抜粋 (1937)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より 第 1 幕 (VPO; 28.09-06.10.1954)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より 第 1 幕抜粋 (09-16.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より 第 2 幕抜粋 (09-16.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より 第 3 幕抜粋 (09.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より Du bist der Lenz, nach dem ich verlangte (13 & 17.02.1936)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ジークフリート」より 第 1 幕抜粋 (22.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ジークフリート」より 第 2 幕抜粋 (22.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より 序幕抜粋 (04.04.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より 第 3 幕抜粋 (04.04.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より Trauermarsch (BPO; 1933)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より Siegfrieds Rheinfahrt (31.05.1952)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より Starke Scheite schichtet mir dort (23.07.1952)
    • 楽劇「パルジファル」抜粋 (BPO; 15.03.1938)
    • 楽劇「パルジファル」より Karfreitagszauber (BPO; 25.04.1951)
  • ヴェルディ (1813-1901)
    • 歌劇「オテロ」 (VPO; 07.08.1951)
  • フランク (1822-1890)
    • 交響曲 (VPO; 1954)
  • ブルックナー (1824-1896)
    • 交響曲 第 4 番「ロマンティック」 (VPO; 19.10.1951)
    • 交響曲 第 5 番 (VPO; 19.08.1951)
    • 交響曲 第 5 番 より 第 1 楽章 (BPO; 28.10.1942)
    • 交響曲 第 6 番 抜粋 (BPO; 13.11.1943)
    • 交響曲 第 7 番 原典版 (BPO; 23.04.1951)
    • 交響曲 第 8 番 (BPO; 15.03.1949)
    • 交響曲 第 9 番 (BPO; 07.10.1944)
  • スメタナ (1824-1884)
    • 交響詩「わが祖国」より「モルダウ」 (VPO; 24.01.1951)
  • ヨハン・シュトラウス II 世 (1825-1899)
    • ワルツ「皇帝円舞曲」 Op.437 (VPO; 24.01.1950)
    • 喜歌劇「こうもり」序曲 (BPO; 1937)
  • ヨハン・シュトラウス II 世 (1825-1899) & ヨーゼフ・シュトラウス (1827-1870)
    • ピッツィカート・ポルカ (VPO; 24.01.1950)
  • ブラームス (1833-1897)
    • 交響曲 第 1 番 Op.68 (BPO; 10.02.1952)
    • 交響曲 第 1 番 Op.68 より 第 4 楽章 (BPO; 23.01.1945)
    • 交響曲 第 2 番 Op.73 (BPO; 07.05.1952)
    • 交響曲 第 2 番 Op.73 より 第 1 楽章 (VPO; 28.01.1945)
    • 交響曲 第 3 番 Op.90 (BPO; 27.04.1954)
    • 交響曲 第 4 番 Op.98 (VPO; 15.08.1950)
    • ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a (BPO; 20.06.1950)
    • ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a (27.10.1951)
    • ハンガリー舞曲 第 1 番 (BPO; 1930)
    • ハンガリー舞曲 第 1 番 (VPO; 01 & 04.04.1949)
    • ハンガリー舞曲 第 3 番 (VPO; 01 & 04.04.1949)
    • ハンガリー舞曲 第 10 番 (BPO; 1930)
    • ハンガリー舞曲 第 10 番 (VPO; 01 & 04.04.1949)
    • ピアノ協奏曲 第 2 番 Op.83 (エトヴィン・フィッシャー, BPO; 08.11.1942)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.77 (メニューイン; 9.1949)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.77 より 第 3 楽章 (デ・ヴィート; 11.03.1952)
    • ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲 Op.102 (ボスコフスキー, ブラベック; VPO 1.1952)
    • ドイツ・レクイエム Op.45 (19.11.1948)
  • チャイコフスキー (1840-1893)
    • 交響曲 第 4 番 Op.36 (VPO; 08-10.01.1951)
    • 交響曲 第 5 番 Op.64 (06.06.1952)
    • 交響曲 第 6 番 Op.74「悲愴」 (BPO; 10-11.1938)
    • 弦楽セレナーデ Op.48 抜粋 (VPO; 01-02.01.1950)
  • ドヴォルザーク (1841-1904)
    • スラブ舞曲 Op.46-3 (BPO; 1930)
  • マーラー (1860-1911)
    • 「さすらう若人の歌」 (フィッシャー=ディースカウ; 24 & 25.06.1952)
    • 「さすらう若人の歌」より「恋人の青い目」 (フィッシャー=ディースカウ, VPO; 19.08.1951)
  • ヴォルフ (1860-1903)
    • メーリケの詩による歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • ゲーテの詩による歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • イタリア歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • スペイン歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • Six Old Tunes 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • Six Songs for Female Voice 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • エイヒェンドルフ歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
  • リヒャルト・シュトラウス (1864-1949)
    • 家庭交響曲 Op.53 (BPO; 12.01.1944)
    • メタモルフォーゼン (BPO; 10.02.1952)
    • 交響詩「ドン・ファン」 Op.20 (VPO; 24.01.1951)
    • 交響詩「ドン・ファン」 Op.20 (21.03.1954)
    • 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 Op.28 (BPO; 1930)
    • 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 Op.28 (VPO; 02 & 03.03.1954)
    • 交響詩「死と変容」 (VPO; 21, 23 & 24.01.1950)
    • 4 つの歌曲 (アンダース, BPO; 15.02.1942)
    • 4 つの最後の歌 (フラグスタート; 22.05.1950)
  • シベリウス (1865-1957)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.47 (クーレンカンプ, BPO; 07.02.1943)
    • 交響詩「エン・サーガ」 Op.9 (BPO; 10.02.1943)
  • プフィッツナー (1869-1949)
    • 交響曲 Op.46 (VPO; 07.08.1949)
    • 歌劇「パレストリーナ」抜粋 (BPO; 10.06.1949)
  • ラヴェル (1875-1937)
    • 「ダフニスとクロエ」第 2 組曲 (BPO; 21.03.1944)
  • バルトーク (1881-1945)
    • ヴァイオリン協奏曲 第 2 番 Sz.112 (メニューイン; 12-13.09.1953)
  • ストラヴィンスキー (1882-1971)
    • 3 楽章の交響曲 (VPO; 15.08.1950)
    • バレエ音楽「妖精の口づけ」 (BPO; 18.03.1953)
  • フルトヴェングラー (1886-1954)
    • 交響曲 第 2 番 (BPO; 12.1951)
    • ピアノと管弦楽のための交響的協奏曲 (エトヴィン・フィッシャー, BPO; 19.01.1939)
  • オネゲル (1892-1955)
    • 交響的断章 第 3 番 (BPO; 10.02.1952)
  • ヒンデミット (1895-1963)
    • 交響曲「世界のための調和」 (VPO; 30.08.1953)
    • ウェーバーの主題による交響的変容 (BPO; 16.09.1947)
    • 管弦楽のための協奏音楽 Op.38 (BPO; 20.06.1950)
  • ペッピング (1901-1981)
    • 交響曲 第 2 番 (BPO; 1943)
  • ブラッハー (1903-1975)
    • 協奏的音楽 Op.10 (BPO; 27.04.1954)
  • フォルトナー (1907-1987)
    • ヴァイオリン協奏曲 (タシュナー, BPO; 18.12.1949)
  • ハインツ・シューベルト (1908-1945)
    • 賛歌的協奏曲 (ベルガー, ルードヴィヒ, BPO; 1942)

フルトヴェングラー 107 枚組ボックス予約中

今年はフルトヴェングラー生誕 125 周年にあたります。そのため、数多くのフルトヴェングラー・ボックスが出るものと期待しています。が、いきなりとんでもないボックスが登場しました。「フルトヴェングラー/ザ・レガシー」。107 枚組もの大ボックス!!! 値段は (HMV のマルチバイ価格で) 14,840 円です。激安です。発売日は 2011-03-20 とのこと (ただし、この手のボックスものは延期が多い!)。

発売レーベルは Membran。Membran のリマスタリングはノイズを極力消して聞き易くする傾向が強いです。しかし、ノイズと一緒に細やかなニュアンスも消してしまう欠点もあります。古い録音はノイズがあって... という人にはお勧めです。一方、ノイズが残っていても良いからニュアンスを消して欲しくないという (私のような) 人には向かないでしょう。とはいえ、107 枚の大ボックスです。当然、廃盤になってこのボックスでしか聞けないものもあるでしょう。値段を考えると、リマスタリングの好みは脇に置いて買ってみても良い! かな。。。

収録曲

HMV のページには収録曲が英語で書かれています。107 枚もあると、見るだけで目が回りそうになります。というわけで、簡単ではありますが収録曲一覧を作ってみました。曲名と録音日のみ書いてあります。邦題の分からないものは英文のままですが、すみません。管弦楽団はベルリン・フィルを BPO、ウィーン・フィルを VPO と記しました。BPO, VPO 以外の楽団名は省きました。協奏曲のソリストは書きましたが、オペラなどの出演者は割合しました。詳細は HMV のページをご覧下さい。

  • バッハ (1685-1750)
    • 管弦楽組曲 第 3 番 BWV.1068 (BPO; 22.10.1948)
    • 管弦楽組曲 第 3 番 BWV.1068 より エアー (BPO; 1929)
    • ブランデンブルク協奏曲 第 3 番 BWV.1048 (VPO; 31.08.1950)
    • ブランデンブルク協奏曲 第 3 番 BWV.1048 抜粋 (BPO; 1930)
    • ブランデンブルク協奏曲 第 5 番 BWV.1050 (VPO; 31.08.1950)
    • マタイ受難曲 BWV.244 (VPO; 14-17.04.1954)
  • ヘンデル (1685-1759)
    • 合奏協奏曲集 Op.6-5 (BPO; 22.04.1954)
    • 合奏協奏曲集 Op.6-10 (BPO; 19.12.1949)
  • グルック (1714-1787)
    • 歌劇「アルチェステ」序曲 (BPO; 28.10.1942)
    • 歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲 (VPO; 08.03.1954)
    • 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」 (07.04.1951)
  • ハイドン (1732-1809)
    • 交響曲 第 88 番 Hob.I-88 (BPO; 05.12.1951)
    • 交響曲 第 94 番 Hob.I-94「驚愕」 (VPO; 25.09.1950)
  • モーツァルト (1756-1791)
    • 交響曲 第 39 番 K.543 (BPO; 08.02.1944)
    • 交響曲 第 40 番 K.550 (VPO; 07 & 08.12.1948 & 17.02.1949)
    • セレナーデ 第 10 番 (管楽のための) K.361「グラン・パルティータ」 (10, 19 & 28.11.1947 & 03.12.1947)
    • セレナーデ 第 13 番 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 (VPO; 01.04.1949)
    • ピアノ協奏曲 第 10 番 (2 台のピアノための協奏曲) K.365 (ベラ, バドゥラ=スコダ, VPO; 08.02.1949)
    • ピアノ協奏曲 第 20 番 K.466 (ルフェルビュール, BPO; 15.05.1954)
    • ピアノ協奏曲 第 22 番 K.482 (バドゥラ=スコダ, VPO; 27.01.1952)
    • 歌劇「後宮からの逃走」序曲 (BPO; 1933)
    • 歌劇「フィガロの結婚」序曲 (BPO; 1933)
    • 歌劇「フィガロの結婚」 K.492 (VPO; 07.08.1953)
    • 歌劇「ドン・ジョバンニ」 K.527 (VPO; 06.08.1954)
    • 歌劇「ドン・ジョバンニ」 K.527 抜粋 (VPO; 27.07.1950)
    • 歌劇「魔笛」 K.620 (VPO; 01.08.1951)
    • 歌劇「魔笛」 K.620 より「フム フム フム」(VPO; 27.07.1949)
  • ケルビーニ (1760-1842)
    • 歌劇「アナクレオン」序曲 (VPO; 11.01.1951)
  • ベートーヴェン (1770-1827)
    • 交響曲 第 1 番 Op.21 (13.07.1950)
    • 交響曲 第 2 番 Op.36 (VPO; 03.10.1948)
    • 交響曲 第 3 番 Op.55「英雄」 (VPO; 26 & 27.11.1952)
    • 交響曲 第 3 番 Op.55「英雄」より 第 4 楽章 (BPO; 20.06.1950)
    • 交響曲 第 4 番 Op.60 (VPO; 01-03.12.1952)
    • 交響曲 第 5 番 Op.67「運命」 (BPO; 27.05.1947)
    • 交響曲 第 5 番 Op.67「運命」より 第 1 楽章 (BPO; 16.10.1926)
    • 交響曲 第 6 番 Op.68「田園」 (VPO; 24 & 25.11.1952)
    • 交響曲 第 7 番 Op.92 (VPO; 18 & 19.01.1950)
    • 交響曲 第 8 番 Op.93 (BPO; 14.04.1953)
    • 交響曲 第 9 番 Op.125「合唱」 (29.06.1951) aka. バイロイトの第九
    • 交響曲 第 9 番 Op.125「合唱」より 第 1 楽章 (BPO; 19.04.1942)
    • 交響曲 第 9 番 Op.125「合唱」より 第 2 楽章 (VPO; 30.05.1953)
    • コリオラン序曲 Op.62 (VPO; 29.10.1951)
    • レオノーレ序曲 第 2 番 Op.72 (BPO; 18.10.1949)
    • レオノーレ序曲 第 3 番 Op.72a (VPO; 02.06.1944)
    • エグモント序曲 Op.84 (BPO; 1933)
    • エグモント序曲 Op.84 (BPO; 27.05.1947)
    • 大フーガ Op.133 (VPO; 30.08.1954)
    • 弦楽四重奏曲 第 13 番 Op.130 (オーケストラ編曲版) より カヴァティーナ (BPO; 1940)
    • ピアノ協奏曲 第 1 番 Op.15 (エッシュバッハー; 27.10.1947)
    • ピアノ協奏曲 第 4 番 Op.58 (ハンセン, BPO; 03.12.1943)
    • ピアノ協奏曲 第 4 番 Op.58 より 第 3 楽章 (スカルピエーニ; 19.01.1952)
    • ピアノ協奏曲 第 5 番 Op.73 (エトヴィン・フィッシャー; 19 & 20.02.1951)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.61 (シュナイダーハン, BPO; 18.05.1953)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.61 より 第 3 楽章 (レーン, BPO; 12.01.1944)
    • ロマンス 第 1 番 Op.40 (メニューイン; 09.04.1953)
    • ロマンス 第 2 番 Op.50 (メニューイン; 09.04.1953)
    • 歌劇「フィデリオ」 (VPO; 13-17.10.1953)
    • 歌劇「フィデリオ」より「ねえ,俺たちだけ。」 (VPO; 03.08.1948)
    • 歌劇「フィデリオ」抜粋 (VPO; 05.08.1950)
  • ウェーバー (1786-1826)
    • 歌劇「魔弾の射手」 Op.77 (VPO; 26.07.1954)
    • 歌劇「魔弾の射手」序曲 (BPO; 1926)
    • 歌劇「魔弾の射手」序曲 (VPO; 05.03.1954)
    • 歌劇「魔弾の射手」 Op.77 より 第 3 幕 前奏曲 (BPO; 1935)
    • 歌劇「オイリアンテ」序曲 (BPO; 04.05.1954)
    • 歌劇「オベロン」序曲 (VPO; 01.02.1950)
    • 舞踏への勧誘 Op.65 (BPO; 1932)
  • ロッシーニ (1792-1868)
    • 歌劇「泥棒かささぎ」序曲 (BPO; 1930)
    • 歌劇「セビリアの理髪師」序曲 (BPO; 1935)
  • シューベルト (1797-1828)
    • 交響曲 第 8 番 D.759「未完成」 (BPO; 10.02.1952)
    • 交響曲 第 9 番 D.944「グレート」 (BPO; 11.1951 & 12.1951)
    • 劇付帯音楽「ロザムンデ」 D.797 抜粋 (VPO; 31.01.1951 & 02.02.1950)
  • ベルリオーズ (1803-1869)
    • 劇的物語「ファウストの劫罰」 Op.24 (26.08.1950)
    • 劇的物語「ファウストの劫罰」より ラコッツィ行進曲 (BPO; 1930)
  • メンデルスゾーン (1809-1847)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.64 (メニューイン, BPO; 25 & 26.06.1952)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.64 第 3 楽章 (デ・ヴィート; 07.03.1952)
    • 序曲「フィンガルの洞窟」 Op.26 (VPO; 19.08.1951)
    • 序曲「真夏の夜の夢」 Op.21 (BPO; 1929)
    • 序曲「真夏の夜の夢」 Op.21 (BPO; 28.09.1947)
  • シューマン (1810-1856)
    • 劇音楽「マンフレッド」序曲 (VPO; 24.01.1951)
    • 交響曲 第 1 番 Op.38「春」 (VPO; 20.10.1951)
    • 交響曲 第 4 番 Op.120 (BPO; 14.05.1953)
    • ピアノ協奏曲 Op.54 (ギーゼキング, BPO; 03.03.1942)
    • チェロ協奏曲 Op.129 (デ・マヒュラ, BPO; 28.10.1942)
    • チェロ協奏曲 Op.129 より フィナーレ (フルニエ, BPO; 13.11.1943)
  • ニコライ (1810-1849)
    • 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 (VPO; 18.01.1951)
  • リスト (1811-1886)
    • 交響詩 第 3 番「前奏曲」 (VPO; 03.03.1954)
  • ワーグナー (1813-1883)
    • ジークフリート牧歌 (VPO; 16 & 17.02.1949)
    • 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲 (VPO; 30 & 31.03.1949)
    • 歌劇「タンホイザー」序曲 (VPO; 02 & 03.12.1952)
    • 歌劇「ローエングリン」より 第 3 幕抜粋 (19.07.1936)
    • 歌劇「ローエングリン」より 第 1 幕 前奏曲 (VPO; 04 & 05.03.1954)
    • 楽劇「トリスタンとイゾルデ」 (10-22.06.1952)
    • 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より 前奏曲 (BPO; 27.04.1954)
    • 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より Mild und leise wie er lächelt (03.10.1947)
    • 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 (1943)
    • 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より Was duftet doch der Flieder (VPO; 05.09.1938)
    • 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」抜粋 (VPO; 04.04.1949)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ラインの黄金」 (26.10.1953)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」 (29.10-06.11.1953)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ジークフリート」 (11.1953)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」 (09.1953)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ラインの黄金」より 第 1 場抜粋 (02-11.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ラインの黄金」より 第 4 場抜粋 (02-11.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」抜粋 (1937)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より 第 1 幕 (VPO; 28.09-06.10.1954)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より 第 1 幕抜粋 (09-16.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より 第 2 幕抜粋 (09-16.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より 第 3 幕抜粋 (09.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ヴァルキューレ」より Du bist der Lenz, nach dem ich verlangte (13 & 17.02.1936)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ジークフリート」より 第 1 幕抜粋 (22.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - ジークフリート」より 第 2 幕抜粋 (22.03.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より 序幕抜粋 (04.04.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より 第 3 幕抜粋 (04.04.1950)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より Trauermarsch (BPO; 1933)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より Siegfrieds Rheinfahrt (31.05.1952)
    • 楽劇「ニーベルングの指環 - 神々の黄昏」より Starke Scheite schichtet mir dort (23.07.1952)
    • 楽劇「パルジファル」抜粋 (BPO; 15.03.1938)
    • 楽劇「パルジファル」より Karfreitagszauber (BPO; 25.04.1951)
  • ヴェルディ (1813-1901)
    • 歌劇「オテロ」 (VPO; 07.08.1951)
  • フランク (1822-1890)
    • 交響曲 (VPO; 1954)
  • ブルックナー (1824-1896)
    • 交響曲 第 4 番「ロマンティック」 (VPO; 19.10.1951)
    • 交響曲 第 5 番 (VPO; 19.08.1951)
    • 交響曲 第 5 番 より 第 1 楽章 (BPO; 28.10.1942)
    • 交響曲 第 6 番 抜粋 (BPO; 13.11.1943)
    • 交響曲 第 7 番 原典版 (BPO; 23.04.1951)
    • 交響曲 第 8 番 (BPO; 15.03.1949)
    • 交響曲 第 9 番 (BPO; 07.10.1944)
  • スメタナ (1824-1884)
    • 交響詩「わが祖国」より「モルダウ」 (VPO; 24.01.1951)
  • ヨハン・シュトラウス II 世 (1825-1899)
    • ワルツ「皇帝円舞曲」 Op.437 (VPO; 24.01.1950)
    • 喜歌劇「こうもり」序曲 (BPO; 1937)
  • ヨハン・シュトラウス II 世 (1825-1899) & ヨーゼフ・シュトラウス (1827-1870)
    • ピッツィカート・ポルカ (VPO; 24.01.1950)
  • ブラームス (1833-1897)
    • 交響曲 第 1 番 Op.68 (BPO; 10.02.1952)
    • 交響曲 第 1 番 Op.68 より 第 4 楽章 (BPO; 23.01.1945)
    • 交響曲 第 2 番 Op.73 (BPO; 07.05.1952)
    • 交響曲 第 2 番 Op.73 より 第 1 楽章 (VPO; 28.01.1945)
    • 交響曲 第 3 番 Op.90 (BPO; 27.04.1954)
    • 交響曲 第 4 番 Op.98 (VPO; 15.08.1950)
    • ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a (BPO; 20.06.1950)
    • ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a (27.10.1951)
    • ハンガリー舞曲 第 1 番 (BPO; 1930)
    • ハンガリー舞曲 第 1 番 (VPO; 01 & 04.04.1949)
    • ハンガリー舞曲 第 3 番 (VPO; 01 & 04.04.1949)
    • ハンガリー舞曲 第 10 番 (BPO; 1930)
    • ハンガリー舞曲 第 10 番 (VPO; 01 & 04.04.1949)
    • ピアノ協奏曲 第 2 番 Op.83 (エトヴィン・フィッシャー, BPO; 08.11.1942)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.77 (メニューイン; 9.1949)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.77 より 第 3 楽章 (デ・ヴィート; 11.03.1952)
    • ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲 Op.102 (ボスコフスキー, ブラベック; VPO 1.1952)
    • ドイツ・レクイエム Op.45 (19.11.1948)
  • チャイコフスキー (1840-1893)
    • 交響曲 第 4 番 Op.36 (VPO; 08-10.01.1951)
    • 交響曲 第 5 番 Op.64 (06.06.1952)
    • 交響曲 第 6 番 Op.74「悲愴」 (BPO; 10-11.1938)
    • 弦楽セレナーデ Op.48 抜粋 (VPO; 01-02.01.1950)
  • ドヴォルザーク (1841-1904)
    • スラブ舞曲 Op.46-3 (BPO; 1930)
  • マーラー (1860-1911)
    • 「さすらう若人の歌」 (フィッシャー=ディースカウ; 24 & 25.06.1952)
    • 「さすらう若人の歌」より「恋人の青い目」 (フィッシャー=ディースカウ, VPO; 19.08.1951)
  • ヴォルフ (1860-1903)
    • メーリケの詩による歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • ゲーテの詩による歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • イタリア歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • スペイン歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • Six Old Tunes 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • Six Songs for Female Voice 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
    • エイヒェンドルフ歌曲集 抜粋 (シュワルツコップ, フルトヴェングラー; 12.08.1953)
  • リヒャルト・シュトラウス (1864-1949)
    • 家庭交響曲 Op.53 (BPO; 12.01.1944)
    • メタモルフォーゼン (BPO; 10.02.1952)
    • 交響詩「ドン・ファン」 Op.20 (VPO; 24.01.1951)
    • 交響詩「ドン・ファン」 Op.20 (21.03.1954)
    • 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 Op.28 (BPO; 1930)
    • 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 Op.28 (VPO; 02 & 03.03.1954)
    • 交響詩「死と変容」 (VPO; 21, 23 & 24.01.1950)
    • 4 つの歌曲 (アンダース, BPO; 15.02.1942)
    • 4 つの最後の歌 (フラグスタート; 22.05.1950)
  • シベリウス (1865-1957)
    • ヴァイオリン協奏曲 Op.47 (クーレンカンプ, BPO; 07.02.1943)
    • 交響詩「エン・サーガ」 Op.9 (BPO; 10.02.1943)
  • プフィッツナー (1869-1949)
    • 交響曲 Op.46 (VPO; 07.08.1949)
    • 歌劇「パレストリーナ」抜粋 (BPO; 10.06.1949)
  • ラヴェル (1875-1937)
    • 「ダフニスとクロエ」第 2 組曲 (BPO; 21.03.1944)
  • バルトーク (1881-1945)
    • ヴァイオリン協奏曲 第 2 番 Sz.112 (メニューイン; 12-13.09.1953)
  • ストラヴィンスキー (1882-1971)
    • 3 楽章の交響曲 (VPO; 15.08.1950)
    • バレエ音楽「妖精の口づけ」 (BPO; 18.03.1953)
  • フルトヴェングラー (1886-1954)
    • 交響曲 第 2 番 (BPO; 12.1951)
    • ピアノと管弦楽のための交響的協奏曲 (エトヴィン・フィッシャー, BPO; 19.01.1939)
  • オネゲル (1892-1955)
    • 交響的断章 第 3 番 (BPO; 10.02.1952)
  • ヒンデミット (1895-1963)
    • 交響曲「世界のための調和」 (VPO; 30.08.1953)
    • ウェーバーの主題による交響的変容 (BPO; 16.09.1947)
    • 管弦楽のための協奏音楽 Op.38 (BPO; 20.06.1950)
  • ペッピング (1901-1981)
    • 交響曲 第 2 番 (BPO; 1943)
  • ブラッハー (1903-1975)
    • 協奏的音楽 Op.10 (BPO; 27.04.1954)
  • フォルトナー (1907-1987)
    • ヴァイオリン協奏曲 (タシュナー, BPO; 18.12.1949)
  • ハインツ・シューベルト (1908-1945)
    • 賛歌的協奏曲 (ベルガー, ルードヴィヒ, BPO; 1942)

あとがき

収録曲リストを作っていて思ったのですが、いくつかの曲は全曲録音が存在するのにあえて「抜粋」して収録していますね。特に既に全曲を収録している曲に対してそういう扱いが多いです。例えばベートーヴェンの交響曲第九番「合唱」では、3 つの録音が入っています。1951 年 6 月 29 日 (いわゆる「バイロイトの第九」; バイロイトの第九は 1951/07/29 ですので、Membran の日付表記が誤っているものと思われます)、1942 年 4 月 19 日 (ヒトラー生誕前夜祭でのライブ)、そして 1953 年 5 月 30 日の三種です。この内、バイロイトの第九は全曲収録されていますが、残る 2 種は第 1 楽章のみ、第 2 楽章のみの収録です。1942 年・1953 年の第九は全曲録音されていますから、バイロイトの第九をメインに他は参考程度という感じで収録したのでしょうかね? そういうことはしないで欲しかったです。

一方、フルトヴェングラーが最初から全曲録音しなかったものもあります。例えば、スメタナの「わが祖国」の全曲録音はなく「モルダウ」のみ録音しています。録音年月日が 1920 年代・1930 年代のものの多くは、もともとフルトヴェングラーが全曲録音しなかったものを収録しているのではないかと思います。こういう曲は CD 収録されにくいので、もっと積極的に収録して欲しかったです。全曲録音から抜粋するよりもね。

2011-02-06

コルトーが遺したピアノを Florence Delaage が弾く

フローランス・ドラージュ (Florence Delaage) という女性ピアニストがいます。コルトーの第子で、もし私に娘がいたら、それはフローランス・ドラージュのようであったであろう (Si j'avais eu une fille, c'eût été Florence Delaage)と言われたそうです。彼女はコルトーの死後、遺品としてコルトーが使っていたピアノを譲り受けました。そのコルトーのピアノを使って録音したアルバムが「Plays on the Piano of Alfred Cortot」です。

私はこの CD の存在を恢復期 第二期さんのブログで知りました (収録曲も恢復期 第二期さんのエントリーを参考にしました)。

Plays on the Piano of Alfred Cortot
Florence Delaage

B003KQKAKQ
Indesens 2010-10-12
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収録曲

  • CD1
    1. ショパン: 即興曲 全曲
    2. シューマン: 子供の情景 Op.15
    3. シューベルト: 即興曲 Op.90 D.899
    4. フォーレ: 即興曲 Op.84-5
    5. ショパン: ワルツ Op.42, Op.61-1(小犬のワルツ), 遺作(ホ短調)
  • CD2
    1. バッハ: 半音階的幻想曲とフーガ BWV.903
    2. リスト: 愛の夢 第 3 番
    3. ワーグナー: 黒鳥館に到着して、ベッティ・ショット夫人に捧げるアルバムの一葉
    4. ワーグナー (リスト編): 夕星の歌、糸紡ぎの合唱、イゾルデの愛と死
    5. フォーレ: 即興曲 第 3 番 Op.34
    6. ラヴェル: 亡き王女のためのパヴァーヌ、水の戯れ
    7. ドビュッシー: 映像第一集〜水の反映、前奏曲第二集〜花火

CD は 2 枚組で、一枚目がコルトーのピアノを、二枚目は普通のピアノを使って演奏されています。コルトーが使っていたピアノは 1896 年製の STEINWAY B (No.91814) です。2 枚目の CD で使われたピアノは 1986 年製の STEINWAY D (No.499495) です。

ドラージュの演奏は技巧派というより作品の味をじっくりと引き出すタイプのように思えます。例えばショパンの幻想即興曲。早いスピードで技巧を見せつけられる作品ですが、ドラージュはゆったりと弾きます。演奏時間は 5 分 37 秒。まるで、ピアノの響きを楽しむかのような演奏です。戦後、ポリーニやアシュケナージらがショパンの音楽に「完璧な技巧」という変革をもたらしましたが、ドラージュの演奏には彼らの前の時代の「古き佳きショパン」があります。

シューマンの子供の情景、シューベルトの即興曲作品 90 も名演の一つに数えられるでしょう。音の一つ一つが心にしみます。彼女の演奏を聞くと、むしろコルトーの演奏よりもラフマニノフの演奏を思い出します。テンポの一つ一つに意味があり、そして一曲全体を通してのクライマックスを意識しつつも強調しすぎない、あのラフマニノフの演奏です。ラフマニノフが編曲なしで遅めに弾いたら、こんな風になるんじゃないか? そう思うのは過大評価でしょうか。

なお、小犬のワルツの演奏時間は、CD ケースには 1 分 05 秒と書かれていますが、1 分 55 秒の誤りです。こちらも華やかで爽やかな演奏。小犬のワルツを演奏する人には、是非聞いて欲しい演奏です。

2 枚目の CD に入ると、現代のピアノだなぁ〜という音が耳に飛びこんできます。ただ曲目が私の知らないものが多く (バッハの半音階とかワーグナーの曲とか) 玄人好みなアルバムに仕上がっている気がします。

知っている曲で言えば、リストの愛の夢第三番は 1 枚目と同じくゆったりとした演奏で、無味乾燥になりがちなリストの曲が生き生きとしています。ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌは遅いテンポが好みなら是非にとお勧めな一品。遅すぎず、ピアノの透明感を見事に引き出した演奏です。ドビュッシーは、好みを言えばギーゼキングの演奏の方が好き。ドラージュの演奏には低音が足りないように思います。その代わり高音の音の澄み具合は特筆もの。水の反映はハマる人が出ても不思議じゃない演奏です。

コルトーのピアノについて

上記過去エントリーにおいて、コルトーはプレイエルのピアノを弾いたと書きました。「ピアニストガイド」という本にそう書いてあったからです。

なので、当然コルトーが自宅で所有していた (そしてドラージュが相続した) ピアノもプレイエルだと思っていました。ところが、ケースを空けたらスタンウェイじゃないですか!! 驚きました。落ち込みました。う〜ん、コルトーもスタンウェイを (自宅で) 弾いていたんですねぇ。

前向きに考えると、1896 年当時のピアノはピアノとして既に完成されていて、古楽器系の鳴り方はしません。当然、今のスタンウェイと比べると音が違うわけですが、ピアノとして劣っているとは感じません。むしろ、大量製産時代前の職人技術が入っていて、今のものより良い点があるんじゃないかと思うほどです。欲を言えば 2 枚目の CD もコルトーのピアノで演奏して欲しかったです。

楽毅 (宮城谷 昌光)

楽毅〈1〉 (新潮文庫) 楽毅〈2〉 (新潮文庫) 楽毅〈3〉 (新潮文庫) 楽毅〈4〉 (新潮文庫)

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宮城谷昌光の「楽毅」(がっき) を読みました。

楽毅は中国戦国時代に活躍した燕の将軍です。漢の高祖・劉邦や三国志の諸葛孔明が楽毅を高く評価したことで名を高くしていますが、どんな将軍だったのかというとハテとんと知りません。その彼の半生を古代文献を繙きながらドラマティックに描いたのが本書です。

時代背景

楽毅が活躍したのは、戦国時代にて斉の孫臏が没した後のこと。最近、中国戦国時代を扱ったマンガが二本ありますが、ちょうどスーパージャンプで連載されている「臏 〜孫子異伝〜」とヤングジャンプで連載されている「キングダム」の間にあたる時代を生きた武将です (そういう意味でマンガ好きにも当時の時代背景を知る上でこの上ない小説だと思います ;)。

ビン 〜孫子異伝〜 1 (ジャンプコミックスデラックス) キングダム 1 (ヤングジャンプコミックス)

楽毅の頃、趙の武霊王は、胡服騎射 (一頭の馬に一人に戦士が乗るもの。それまで戦士は戦車に乗っていた) を採用し、燕にいた公子稷を秦国に送り昭襄王 (始皇帝の四代前の王) を立てて秦国との繋がりを強くします。

燕の国は後継争いで乱れ、それに乗じた斉国によって大きく荒廃します。燕の昭王は斉に復讐を誓いますが、国力がありません。良い武将も居ません。悩む昭王に「先づ隗より始めよ」と郭隗が言います。その言葉通り、楽毅は燕の昭王を訪ね、斉国滅亡への一手を指し始めます。

楽毅

戦国時代に中山国という国が生まれました。残念ながら戦国七国の一つに数えられるほどの力を持ちませんでしたが、楽毅はその中山国の宰相の子として登場します。若い頃、斉で孫子の兵法を学び、隣国・趙に進略されると知謀を持って退けます。しかし、楽毅をして中山国の愚王を救うことは出来ませんでした。中山国は趙に滅ぼされます。

そんな楽毅に燕の昭王が救けを求めます。大国・斉を倒すためです。楽毅は小国・燕が斉を討つために、外交を操り、軍略を閃かせ、遂に韓・魏・趙・楚・燕という五か国連合を作り上げます。大国・斉はこの戦を境に大きく衰亡します。

あとがき

楽毅が小国・中山国で奮戦する前半が特に面白い。斉の孟嘗君に影ながら支えながら味方を増やし、趙国に「楽毅という将軍がいる」と知らしめます。後半、燕が斉を攻めるシーンは一気呵成。前半の伏線が見事に回収されてゆく様は爽快です。途中、中山国を滅ぼした趙の武霊王が死ぬシーンは楽毅の話から少しズレてしまいますが、非哀なしには読めません。