2013-12-30

2013 年に取り上げたクリスマス曲まとめ

10 月 14 日から「安宅の音楽日記」という音楽系ブログを書き始めました。短く音楽を紹介したり、自分の感想を書く目的で始めたブログです。毎日一本を目標に始めて、なんとかやって来れました。

さて、「安宅の音楽日記」では 12 月の 8 日から 25 日まで「クリスマス」に関連する曲を扱いました。本エントリーでは、ブログ記事を振り返りながら感想を付け加えたいと思います (一部、12 月以前に取り上げたクリスマス関連曲も紹介します)。

クラシック曲

クラシック曲では 6 人の作曲家を取り上げました。生年順に並べると次のようになります: コレッリ (1653-1713)、マンフレディーニ (1684-1762)、ヘンデル (1685-1759)、ロカテッリ (1695-1764)、スキアッシ (1698-1754)、チャイコフスキー (1840-1893)。一人ずつ簡単な紹介をしてゆきます。

コレッリのクリスマス協奏曲

コレッリのクリスマス協奏曲 (コンチェルト・グロッソ Op.6-8) はクリスマス協奏曲の代名詞とされる曲です。メロディーの美しさもさることながら、アレグロの爽快感はリピートして聴きたくなるものです。

クラシック畑からベルダー盤と Geise 盤。ポピュラー畑からリチャード・クレイダーマン盤を聴きました。

ベルダー盤は Brilliant Classic レーベルからの一枚ですが、細部にまで血の通った演奏で音楽が生き生きとしています。Geise 盤は Arte Nova レーベルからの一枚。力強さはあるものの、繊細さではベルダー盤に一歩譲ります。

ポピュラー・アレンジしたリチャード・クレイダーマン盤はもっと評価されても良い名盤! 曲順を変え、演奏時間を少なくしていますが、ピアノとオーケストラで最大の効果を上げるように変えられたアレンジはお見事。ともかく楽しいです。

マンフレディーニのクリスマス協奏曲

マンフレディーニのクリスマス協奏曲 (コンチェルト・グロッソ Op.3-12) は 8 分程の曲です。ゆったりとしたメロディーの美しさ、特に第二楽章のラルゴの美しさにひかれます。

お気に入りの演奏はカラヤン指揮ベルリン・フィル。美しく演奏するという分野にかけてカラヤンは他の追随を許さないと思いました。カラヤンの他に Geise 指揮とイル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏を聴きました。Geise 盤は比較的落ち付いていますが、チェンバロなどで少しアクセントを付けた演奏です。カラヤンの様に美しい演奏を聴いた後だと、アクセントが強いように思います。イル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏はキビキビッとした演奏で独自の世界に入っています。セカンド・チョイス以降なら面白いかもしれませんが、ファースト・チョイスには厳しいと感じました。

ヘンデルのメサイア

ヘンデルのメサイア。いわずと知れたイエス・キリストの生涯を描いたオラトリオです。メサイア・コーラスは超有名曲。

60 年代録音のクレンペラー盤と 2000 年代録音のバッド盤を取り上げました。

クレンペラー盤は録音も古く前時代的なフル・オーケストラ演奏です。しかし、ソロ陣の豪華さ、全体のまとまりは大指揮者クレンペラーの良さが遺憾無く発揮されています。メサイアが好きな人には是非聴いて欲しい一枚。一方、バッド盤は時代考証や録音にも拘った一枚。1742 年ダブリン初演版の世界初録音。ノン・ヴィヴラートに徹したテノールなど他盤では聴くことの出来ない世界が広がっています。名演!!

ロカテッリのクリスマス協奏曲

ロカテッリはパガニーニ以前の最大のヴァイオリン作曲家。彼のクリスマス協奏曲 (コンチェルト・グロッソ ヘ短調) は弦がとても美しい。レビューを書いた時は早いテンポの楽章に現れるヴァイオリンの技巧にみせられましたが、後で聴きなおしてゆっくりした曲のメロディーの美しさにも打ちのめされました。

聴いたのは Geise 盤のみ。

スキアッシのクリスマス交響曲

作曲家スキアッシ。今回の特集で初めて知った名前です。最初、コレッリのクリスマス協奏曲を聴こうと CD をかけたのですが、一曲目に入っていたスキアッシのクリスマス交響曲があまりにも良かったものでコレッリに代わって取り上げました。

無名な作曲家だと思うのですが、クリスマス交響曲の出来はコレッリにも劣ることはないと思います。スキアッシの他の楽曲も聴きたいと思いました。

チャイコフスキーのくるみ割り人形

クリスマスに何故「くるみ割り人形」と思ったのですが、バレエの脚本では「くるみ割り人形」がクリスマス・イブのプレゼントとして渡されるのでした。クリスマス・イブからクリスマス当日にかけての冒険が「くるみ割り人形」の舞台になるのですね。

プレヴィン盤とロジェストヴェンスキー盤を取り上げました。音楽が「くるみ割り人形」のストーリーをイメージさせるプレヴィン盤、音楽がバレエ舞台をイメージさせるロジェストヴェンスキー盤。どちらの盤も甲乙付け難い名演です。プレヴィン盤は現役盤ですが、ロジェストヴェンスキー盤はその好演に対して評価が低いように感じるのが残念です。

洋楽

ジングル・ベル

ビング・クロスビーとアンドリュース・シスターズが共演した「ジングル・ベル」です。こちらの CD にはリハーサル・テイクが収録されていて、ビング・クロスビーの珍しい失敗を聞くことができます。いつも完璧なクロスビーの歌唱を聴いていると、ここに聴く人肌なクロスビーの歌も面白いものです。

Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!

映画ダイ・ハード 1・2 のラストを飾るヴォーン・モンローの 1962 年録音盤です。Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! 良いですよね〜。映画のラストで聴くと大人の気分になります。甘いだけじゃない、ビターで温かいクリスマス・ソングです。

キャロル・オブ・ザ・ベルズ

映画「ホーム・アローン」でかかった曲です。サントラ盤とトランス・シベリアン・オーケストラのインストゥルメンタル版を取り上げました。

映画を見た人には言うまでもないですが、泥棒と対決すべくケビン少年が雪道をかけてゆくシーンで流れるこの曲は心に残りますよね。トランス・シベリアン・オーケストラの演奏はメタル・オーケストラにアレンジされています。クリスマス・ソングを楽しむ人より、クラシック・オーケストラを楽しむ人向けかもしれません。正統派なアレンジで聴き応え満点です。

Angels We Heard on High

Facebook で友達に紹介された楽曲。メンデルスゾーンの Angels We Heard on High をベースに色々なクリスマス・ソングがメドレー式に入っています。演奏は The Piano Guys。

まずはビデオをどうぞ。曲を演奏している姿がとても楽しそう。

現在、この CD 盤を取り寄せている途中です。

邦楽

クリスマス・イブ

邦楽からは一曲だけ。山下達郎の「クリスマス・イブ」を取り上げました。曲の紹介というより、思い出話に花を咲かせたエントリーでした。意外に反響があって、ヒットのきっかけになった CM を YouTube で教えてもらったりしました。

あとがき

以上で、2013 年のクリスマス曲特集はお終いです。

一回のエントリーでこれだけの数のクリスマス曲を取り扱おうとすると大変ですが、小分けにエントリーにしていると苦になりません。振り返りエントリーを書くだけで形になるので良いですね。来年もクリスマス曲特集ができればと思います。

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